学生が主体となって人工衛星の開発に取り組む九州工業大は、本物のネジのように回せるお菓子「ネジチョコ」を製造販売する「オーエーセンター」(北九州市)と共同で、チョコのパーツでお菓子のロケットが組み立てられる新商品を開発した。11月から販売を始めており、発起人の同大大学院工学府1年の畠山雄樹さんは「北九州市は宇宙の街というイメージが全国に広がるきっかけになれば」と話している。
九工大が地元企業と共同開発
商品名は「ネジチョコロケット&超小型人工衛星型チョコレートセット」(税別1000円)。ホワイトチョコ6個とカカオチョコ2個入りで、人工衛星は畠山さんが開発に携わり、来年2月に米国で打ち上げ予定の機体などがモデルになっている。
同大は運用する小型・超小型衛星数が7年連続世界1位だが知名度が低い現状を変えたいと、約1年前に畠山さんが同社に企画を提案。同大工学部宇宙システム工学科の学生らと商品アイデアを考えたり、3Dプリンターで型を製作したりして、ロケットのブースターや人工衛星の太陽光パネルなどデザインの細部までこだわった商品を誕生させた。
12月12日には、畠山さんらが北九州市役所を訪問し、武内和久市長に完成を報告。ロケットの組み立てを体験した武内市長は「すごく精密にできていて、食べるのが惜しいぐらい。新しい北九州市のお土産になる」と太鼓判を押した。畠山さんは「商品を通して宇宙を近く感じてもらい、1人でも多くの子どもたちがその道に進んでくれれば」と話していた。
オンラインや小倉南区の店舗で
ネジチョコのオンラインショップのほか、同市小倉南区の洋菓子店「グランダジュール」で販売。来年1月以降には市科学館「スペースLABO」や市立いのちのたび博物館の各ミュージアムショップなどでも販売する予定。