なんか違うと思う。
アドバイザーは、業務の効率化につながるオフィス環境の改善や情報通信技術(ICT)活用などの専門家らに委嘱。部活動に外部指導者を派遣している東京都杉並区、市教委が学校給食費を徴収・管理する仕組みを取り入れた長野県塩尻市など2県6市区の担当者も派遣する。定期的に教育委員会や学校現場に赴いて改善点を指摘し、取り組みの進捗(しんちょく)状況をチェックする。
なんか、逆に現場の負荷が増えかねないような気がしないでもない。ABC/ABM(Activity Based Costing/Activity Based Management)の観点から言えば、ちょっとしたベストプラクティスをいくつか場当たり的に投入するよりも、きちんとアクティビティを把握することを優先すべき。
というか、元小学生元中学生のオレから見ると、教員の時間外勤務の大半は部活動のように見える。
18年度の前回調査と比べ、小中の教員とも勤務時間が増加し、週60時間以上だった教諭は小学校で33・5%、中学校では57・7%に上った。公立校教員の勤務時間は週38時間45分と規定。これらの教諭は週20時間以上の時間外労働が常態化しており、おおむね月80時間超が目安の「過労死ライン」を上回っていることになる。
土日では、中学教諭の勤務時間が3時間22分で前回より1時間49分も増加した。土日の部活動・クラブ活動に従事する時間が前回より約1時間増えた影響もあるとみられる。
文科省は「教諭が生徒の安全管理を重視し、担当する部活動を見る時間が延びたのではないか」との見方を示した。
外部指導者を招いても学校の責任の元で運営する以上、教員の目の届く形で運営せざるを得ず時間的な拘束としては負荷が減らない。いや、例えばバレーボール部の顧問の教員が、バレーボールの練習をしている隣でテスト問題の作成とか採点とか翌日の授業の準備とかをしていてもいいならいいんだが、生徒が近くにいる以上それは職員室から持ち出せないだろう。外部指導者がコーチングしていて、教員が職員室で業務を行う形では事故や問題発生時に対応が遅れることになるし、外部指導者に一任した学校の責任問題が大きくなる。外部指導者を起用しても結局目を配らざるを得ないだろう。
これが私立の学校なら、部活動の現場に目を配るのは教員じゃなく専門の職員ということもできるだろうが。
外部指導者に委任する場合、体育館やグラウンドのように一気に見渡せる場所なら各部活動に教員を張り付けなくてもいいのかもしれない。しかし、文科系の部活動の場合は吹奏楽部と茶道部を一緒の場所で活動させるようなわけにもいかず、個々に対応しなければならない。
と考えると、いっそのこと部活動をやめてしまえば一気に時間外勤務削減になるのでは?文科系もスポーツ系も地域のクラブや教室に参加する形でいいじゃん。スポーツの場合、野球・サッカー以外はあまり環境が整っていないと思うし、まずそういう地域のクラブそのものが存在しないケースも多いと思うが。
いままで教員の時間外勤務、あるいは時間外勤務として計上していない長時間の対応で学校の部活動が成立していたわけだが、
少子高齢化を前提とすれば、部活動でやるような内容は地域にまかせる形を作っていく時期に来ているのではないか。すぐに移管はできないが、きちんとマイルストーンを置いて任せられる形を作っていくべきだろう。
教育委員会にアドバイザー派遣なんて小手先の対応では解決できないと考える。
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