コスパ大幅向上の「iPad (A16)」発表、旧モデルとスペック・価格の違い
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Appleが発表イベントを行わずに新しいiPadとなる「iPad (A16)」を発表した。
———ということはマイナーアップグレードを意味する。
しかし、よく見ると良質なアップデートにも思えてきた。
それまでの所謂「無印iPad」は発売日が2022年10月と古い「iPad (第10世代)」だったこともあり、チップ性能は大きく向上、価格も据え置きながらストレージを倍増させるといったコストパフォーマンスを高めたタブレットに仕上げてきているのだ。
それでは何が変わり、どのようにコスパが向上したのか記録していく。
「iPad (A16)」のスペック・価格
ここからはAppleストアの製品比較ページから異なるスペック部分を見ていきたい。
はじめにディスプレイ表記の違い。
具体的には10.9インチから11インチに変わった。しかし、画面が大きくなったわけではないだろう。
その理由は筐体サイズが第10世代iPadとミリ単位で同じ、重量も477gと変わらず、解像度も2360×1640(264ppi)と同じだから。
推測になってしまうが、無印iPadやiPad Airにエラーが発生したチップを流用して今回のようなマイナーアップデートモデルを定期的にリリースするAppleだ。彼らが新しい「iPad (A16)」のためだけにディスプレイだけ新調するだろうか・・・—————、筐体やバッテリー容量さえ変えていないのに。
以上のことからディスプレイサイズは表記が変わっただけだと思う。
次の変化は「Appleチップ」の違い。
- 第10世代iPad;A14 Bionic チップ(6コアCPU+4コアGPU+16コアNeural Engine)
- iPad (A16);A16 チップ(5コアCPU+4コアGPU+16コアNeural Engine)
このA16チップといえば「iPhone 15」に搭載されたチップだが、こちらの仕様は6コアCPU+5コアGPUとなっている。
ん? 何かがおかしい。
- iPad (A16);A16 チップ(5コアCPU+4コアGPU+16コアNeural Engine)
- iPhone 15:A16 チップ(6コアCPU+5コアGPU+16コアNeural Engine)
そう、そういうことだ。
先ほど触れた通り製造時にエラーの出たチップが溜まってきたのでiPad (A16)として処分する時期が来た。iPad 10の時は5月だったが製造ラインの精度が悪くて速い男系でエラーチップが溜まり3月リリースになったのかもしれない。
だが、悪いことばかりじゃない。
たとえばスペック表では5コアCPUと4コアGPUと明記されているが、CPUが1つだけ不具合といった場合はGPU性能だけiPhone 15と同等なんてことも期待できる。
製造時にエラーが出るコアはランダムだ。それを探して特定のコアだけをOFFにするなんて手間のかかる作業はしないだろう。不良チップの一斉処分なのだから。もしかするとCPUかGPUが1つだけエラーだった個体もあって、それが手に入ればラッキー。そんな「おみくじ要素」があるかもしれない。
なお、iPad mini 7のチップはA17 Proと上位モデル向けなのでApple intelligenceをサポートしている。
そして3つめにして(スペック面における)最後の変化は「容量」だ。
旧モデルは64GBと256GBの2モデル展開で販売を継続していたが、iPad (A16)は128GBスタートで256GBと512GBと続く。
Appleはストレージ構成で価格を釣り上げるビジネスモデルを採用しているので、Lightningポートを意地でも継続してきたように、そういったビジネスモデルの核には細心の注意を払っている。
そんなAppleが価格据え置きにしたのは驚いた。
- iPad 第10世代:64GB=58,800円
- iPad (A16):128GB=58,800円
これは衝撃。
2025/03/05時点で112,800円スタートで販売されている「iPhone 15」の劣化版とはいえ同じチップを搭載して、さらに筆圧検知ペン対応のiPadが58,800円で購入できるのだ。
お絵描きしたり、iPhone15以前の端末でプレイできるゲームを体験するには十分だろう。
しかも今朝注文して明日には届く「iPhone 13 Pro」(当該記事へ)のようなLightningポートのユーザーにとってはiPhone 15相当の処理性能とUSB-Cによるデータ転送等が行えるAppleエコシステム端末が破格で手に入ることに。
そういう意味で「iPad (A16)」は支持されるかもしれない。
ちょうど2万円を足せばA17 ProでApple intelligenceだけでなく、Apple Pencil ProといったProモデル相当の小さなiPadが手に入るわけだが、8.3インチと小さい。
タブレットを購入した多くのユーザーが最終的に「動画視聴」くらいしかしていないことを踏まえると大画面で58,800円のiPad (A16)を購入するのが無難だろう。
たとえそれが目立つ機能のない「つまらない端末」だとしても「実用的」なのだから。
正直なところ少し前に記事で書いたiPad Airの最新モデル(当該記事へ)よりも興味深い。実は手持ちのiPad mini6の電池が劣化してきたこともあって買い替えを検討していた。iPhoneシリーズの10万円超えという価格設定が当たり前のなか、懐かしさすら覚える58,800円という価格を提示する「iPad (A16)」はありかもしれない。