丸亀製麺の創始者が惚れた「晩杯屋」の稼ぎ方 客単価1300~1500円の超コスパ立ち飲み屋
「煮込み130円」「サバの塩焼き150円」「アジフライ110円」「中生ビール410円」「チュウハイ250円」――。
東京都内を中心に首都圏で展開する「立呑み 晩杯屋」。アクティブソース(本社・東京都品川区)が運営する居酒屋チェーンである。現在34店舗(直営22、FC12)を展開しており、一部は着席型になっているが、最大の特徴は立ち飲み業態であることだ。
その晩杯屋が、「丸亀製麺」を運営するトリドールホールディングス(本社・神戸市)のグループに入った。トリドールHDは7月下旬にアクティブソースの株式を取得。早期に晩杯屋の国内500店体制を目指すとしている。「小規模であっても出店できることから立地の選択肢は多く、従来の運営業態では出店できなかった場所へも出店可能なことが多いため、これまで開拓してきた候補地の情報を有効活用することが期待できる」(トリドールHDの発表資料より)という。
商品力の高さは業界内でも折り紙付き
立ち飲み居酒屋は2008年9月に起こったリーマンショック後の不況期に増えた業態だ。1人でも気軽に立ち寄れ、「1000円札1枚でもベロベロに酔える」ことを「センベロ」と表現するほどの低価格帯だ。一般的に立ち飲み屋は「安かろう、悪かろう」というイメージが強かったが、晩杯屋は従来の立ち飲み屋のイメージを払拭、フード・ドリンクメニューとも1品ごとに安い価格設定なのに、商品力の高さは業界内でも折り紙付きだ。
トリドールHD社長の粟田貴也はM&A(企業の合併・買収)に先駆けて、仲のよい外食企業経営者と晩杯屋を訪ねた。100円台のおつまみが充実していて、品質が高いのに驚いた。ドリンクも500mlジョッキで鮮度のいいものをきちんと出すことに感心した。それでいて客単価1300~1500円という安さだ。粟田が晩杯屋に惚れ込んだことが、M&Aの背景にある。
そんな晩杯屋はどのように生まれ、成長してきたのか。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら