大成建設「元会長の大立ち回り」が映す将来不安 「新宿西口再開発」など超難工事でも利益を出せるか

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大成建設
大成建設における近年の大プロジェクトといえば、2019年竣工の新国立競技場の建設だ。1958年竣工の旧国立競技場の新築にも携わっている(写真:Bloomberg)

今年6月。スーパーゼネコンの大成建設の定時株主総会で一悶着が起きていた。

「株主総会を乱すようなことはやめてください」「このまま続けると退場させますよ」。司会者から注意を何度も受ける男性。だが男性は静まることなくまくし立てた。

「会社は業績を落としている。利益が落ちている。品質問題も複数起きている。社長の責任だ。社長は辞めるべきだ」

男性の正体は、山内隆司氏(78)。建設業関係者ならば、この名前を知らない者はいないだろう。大成建設で2007年から社長、2015年から会長を務め、選別受注を徹底し同社の業績を立て直した立役者だ。

歯がゆさを募らせての言動か

業界団体である日本建設業連合会の会長や、日本経済団体連合会(経団連)の副会長も歴任した、かつての実力者である。

山内氏は一株主として株主総会に出席。質疑応答の時間になると、間髪を入れずに手を挙げて発言し、相川善郎社長への非難を繰り返した。会場内が騒然とする中、狼藉は後に続いて質問しようとした一般株主にも向けられた。

「先ほど発言されたのは、元経営者とお見かけする。そんな方が会社を批判するような発言を繰り返していいのでしょうか」。一般株主がたしなめたところ、「山内氏はこの株主にもくってかかった」と、大成建設の株主でもある市場関係者は話す。

「大成建設はここ数年、利益を落としていた。会社を立て直した実績のある山内氏からすると、歯がゆかったのだろう」(市場関係者)。

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