賛否両論「新生ジャガー」は何を狙っているか? 奇をてらったわけじゃない確かな戦略の確信犯
ジャガーが、大胆なデザインの「タイプ00(ゼロゼロ)」を発表して話題を呼んでいる。
12月初旬の「マイアミアートウィーク2024」での一般公開に先だって、11月に英国ゲイドンのジャガーカーズのエンジニアリングセンターでメディア向けのお披露目が行われたのを、私は実際に見てきた。
このデザインには、さまざまな意味が込められているという。
全長5m超の巨大なモダンラグジュアリー
ジャガーは、電動化をビジネスにとっての好機ととらえている。本社で取材に応じたブランドデザイン・ダイレクターのリチャード・スティーブンス氏は言う。
「ベースになっているのは私たちが(2021年に)発表した『Reimagine(リイマジン)戦略』です。2039年までにCO2排出量を実質ゼロにすることをミッションとしています。同時に、世界でもっとも価値ある、モダンラグジュアリーな自動車ブランドになるべく、チーム一丸で取り組んでいます」
ゲイドンで、集まったメディアの前に公開されたのは、2ドアクーペだった。
いや、車体が5.05mで、ホイールベースが3.1mと、かなり余裕あるサイズなので、厳密な意味でクーペ(セダンを短くした2ドア車体)とは呼べないほどの、堂々たる存在感だ。なにより衝撃的だったのは、フロントマスクだ。
ジャガー車はこれまで、大きめサイズのグリルを特徴としてきたものの、BEV(バッテリー駆動のEV)のため、それはない。
そこには、長方形のパネルがあり、細いストライプのようにスリットが入っているだけ。ヘッドランプユニットは、上下幅が極端に細いものが、目立たない位置にはめこまれている。
ジャガーのシンボルだったリーパー(とびかかるジャガー)はなく、ジャガーのロゴもごく小さく入っているのみ。その文字フォントも、あたらしいものとなった。小文字の中にあって「G」だけが大文字(でもハイトは同じ)という、ひねったものだ。
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