平成不況、震災、コロナ禍…科学視点の時代の記録 『サはサイエンスのサ[完全版]』書評

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『サはサイエンスのサ[完全版]』鹿野 司 著
サはサイエンスのサ[完全版](鹿野 司 著/早川書房/4840円/648ページ)
[著者プロフィル]鹿野 司(しかの・つかさ)/サイエンスライター、SF評論家。宇宙作家クラブ会員。1959年生まれ、2022年10月没。『ログイン』『S-Fマガジン』などにサイエンスコラムを寄稿。映画『ガメラ2 レギオン襲来』やアニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』のSF考証なども手がけた。

日本における代表的なサイエンスライターの一人、鹿野司が『S‐Fマガジン』に寄せた全コラムをまとめた書籍だ。鹿野は主にSFの分野で活躍した人物で、2022年に63歳で死去した後、翌23年には、日本SF大賞功績賞を受賞している。11年にSFファンが選ぶ「星雲賞」を受賞した本の完全版である本書には、旧単行本版の3倍のコラムが収録されている。

科学の視点で描かれた時代の記録

科学に関するコラムや時評、作品評、著者の日常を基にした話が渾然一体となっている。連載期間は1994〜22年の28年にわたり、バブル後の平成不況から東日本大震災、新型コロナウイルス禍までの出来事が描かれる。科学という視点での時代の記録だ。

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