「トランプ劇場Season 2」が始まった。1月20日のアメリカ大統領就任式からまだ10日くらいしかたっていないのだが、いやもう、なんたるスタートダッシュだろうか。試しにホワイトハウスのホームページを開けてご覧あれ 。”AMERICA IS BACK!”というスローガンのもと、トランプさんがこっちを向いてにらんでいる。バイデン政権の残滓はもうどこにもない。
「手際がよい」第2期トランプ政権
第2期トランプ政権の特色は、何と言っても手際のよさにある。就任式初日に打ち出された”Presidential Actions”(大統領措置)が合計42本。うち大統領令が26件、法的拘束力のある覚書が12件、大統領布告が4件である。
トランプさんは第1期政権の当初も大統領令を出しまくったが、オバマケア撤回令は議会に阻まれ、イスラム圏からの入国禁止令は裁判所に止められ、メキシコ国境の壁建設には予算がつかなかった。哀しいかな、8年前のトランプさんはワシントンの流儀について不案内であったし、共和党内部もまだ半信半疑であったのだ。
それが現在は様変わりである。ご本人には大統領を務めた4年間の経験があり、共和党はすっかり「トランプ党」に変貌してしまった。そして当選直後から異例のペースで閣僚人事を進め、周囲をイエスマンで固めつつ、政権発足に向けての準備を進めてきた。すでに各方面で衝突を招きつつあるが、それも想定の範囲内であろう。
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