『狼と香辛料IX』は意外なことに傑作だった!
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- 作者: 支倉凍砂,文倉十
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2008/09/10
- メディア: 文庫
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「……この香り、アビの草か? キーマンはずいぶんな料理を用意したらしいな」
ここだけ抜き出したのでは、なぜこれが名台詞なのかわからない人も多い*4だろうが、なにぶん物語終盤の場面のことでもあるので、状況説明は勘弁してほしい。
いやぁ、これは参りました。最初、何を言っているのかピンとこなくて、前後の文章を二、三度読み返してみて、ようやく意味がわかった瞬間、思わず「あっ!」と叫びそうになった。
支倉凍砂は凄いよ、一字一句気が抜けないよ!
もっとも、
果報は寝て待てというが、【人名】*5が深い眠りから目を覚ます時は、おそらく永遠の眠りにつく時だ。
などという、別の意味で気が抜けない表現*6もちらほらあるので、要注意。
それはともかく、以前
とかくこの世は思うようにいかないものだ。人生とは妥協の積み重ねだ。こうなったら仕方がない。『狼と香辛料IX 対立の町<下>』が、発売延期ネタの面白さを凌駕する面白さを備えていることを期待することにしよう。
と書いたが、その期待が成就したことを、今は素直に喜びたい。
満足、満足。
……で、満足したところでやめておければよかったのだが、『狼と香辛料IX』読了直後にこれを読んでしまったのが大失敗。つい先ほどまでの感動も興趣もみるみるうちに色褪せて、脳内でホロのイメージがすっかりイヅナのそれに置き換わってしまった。
恐るべし、杉井光!
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- 作者: 杉井光,赤人
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