就活学生、リクルート担当者、先輩社員にとっての新人研修の利用価値
駄文 - 株式会社 Dino の新人研修がすごい - IT戦記
動画共有SNS”zoome”〜training2008
この2つの記事を読んで、改めて気づいた、「新人研修」の意外な使い道を3つをまとめてみました。
■これからの新卒採用募集のキラーコンテンツは「新人研修動画配信」!
「うちのパンは美味しいです!」と言わないパン屋さんはあまり見かけないのと同じように、「私達の会社の自慢は人材育成力!」ですと言わないで新卒募集活動をしていない会社は少ないのではないでしょう?
どこの会社の説明会に行っても、用意してあるパンフレット、説明会のパワーポイント、説明においても、「人材育成」が連呼されています。
パン屋で言えば、「美味しいパンを売っています」では誰も振り向きません。
・「どこが美味しいのか?」(サクッとした触感)、
・「なぜ美味しいのか?」(北海道産の○○牧場の朝どれミルクを使用)
・「それへのこだわりは何か?」
が分からないと、パン屋がいくら「美味しい」と連呼しても、話を眉唾でしか聞かないのと同じです。
企業の「人材育成力」というのも同じです。ただ連呼して、パンフレットで上手に飾ったところで、効果薄でしょう。
そういう意味でも、この「新人研修の動画配信」という試みは、非常にオモシロイのではないでしょうか?
グタグタ言わないでも、どんな新人研修を行っているかが、学生に一目で分かる。「どれだけ人材育成に真剣に取り組んでいるか」がオープン化されていくという事はとても良いことではないでしょうか?
今、新卒採用に多額の投資をする企業が増えてきています。それらの企業では、新卒のコンサルティング費用、パンフレット費用、DVD費用など、学生さんに魅力を感じて貰うために多額の費用をかけています。
しかし、実際には、どこの会社の資料も、戦略や仕事内容、待遇の説明は違うにしても、「人材育成」という部分は同じよう形で訴えているだけ。「わが社は人材育成が自慢です。」と離職率の高い企業までもが訴えています。
これからはそれらの費用を少し抑えて、もっと「新人の人材育成」にお金と時間をかけていく必要があるのではないでしょうか?そして、「新人研修の動画配信」をしても恥ずかしくない、素晴らしいと感じてくれるレベルにまで「新人研修」を高めていく事が、リクルーティングのキラーコンテンツ作りになっていくと思うのです。(単にマナー、躾だけを教えるのではなく、専門技術や新人が研修期間中に学んでおくべき、基礎的考え方30 で述べたような価値観、「モチベーションが上がるワクワク仕事術」で述べたような基礎的仕事術なども徹底して教えていき、一流のビジネスマンとしての基礎を身につけてもらうようなプログラムを作っていく。)
そのような「新人研修を動画配信」していき、入社希望の学生に見て貰う。そうしていく事は、どんな素晴らしい資料を用意するよりも、「他社と違って、自社の人材育成への本気さ」を理解できるツールになると思うのです。
「新人研修」そのものが、リクルーティングのツールになる。そのように考える時代になったように思えます。
■「新人研修」は先輩社員にとっても、素晴らしい研修の場
「新人研修」は新人のものだけではありません。「新人研修」は管理者、先輩社員の素晴らしい研修ツールではないでしょうか?
新人研修で行うのは、「ビジネスの基礎、会社の価値観、仕事の基本的な進め方、組織での基本的な考え方などなど」基礎的な話ばかり。それでは、先輩社員が日々、それを意識している行動ができているかと言うと、違うと思うのです。
知っているけど、できていない。こんなケースが多いと思います。
新人研修を先輩社員が担当することで、2つの事を学ぶことができます。
学ぶという事は、普通、「新しい事を知ること」ばかりに関心が向きます。もちろん、それも大事です。しかし同じくらい大事な事として、「知り得た事が、どれだけ実践できており、何が実践できていないか」を知ることがあります。新人研修で学んだ基礎、日々の仕事の中で顧客や上司から学ばせて貰ったこと。それらは、ホントに、自分はできているのでしょうか?研修で新人に教えている最中に、気づきがでてきます。「新人に教えているけど、俺もまだ、できてないよな。しっかりやろう!」などという気づきです。この気づきは、新人研修などで、改めて人に教える事を通じないと、なかなか生まれてこないのです。
また、「学ぶ」という事は、インプットだけでは完結しません。アウトプットして初めて完結するものです。研修や読書などでいくら知っても、それは、意外に右から左に流れていき、頭の中に定着していきません。ホントの知性にはなりにくいものです。新人研修を通して、新人用のテキストやパワーポイントを準備する、新人教育の講師をするなどというアウトプットをして、本物の知性になっていきます。人に教える事が、最大の教育になっていくのです。
新人教育は、あなたの能力を伸ばすチャンスなのです。めんどくさがらずに、積極的に取り組んでみませんか?
■就職活動中の学生にとっては、「新人研修」が企業の「人材育成力」を調べる最高の素材
このブログを読んでいる人の中には、今、就職活動中の学生さんもおられるかもしれません。
「人を育てる会社」に入社したいという事であれば、徹底して、希望する会社の新人研修について調べる事です。「人材育成」という話は、抽象的に聞けば、どこの会社も同じようにしか聞こえません。しかし、実際は各社各様です。
先ほども言ったように「人材育成を大切にしています」とどの会社も言うのです。その話だけ素直に信じていては、後で後悔することになります。「人材育成をどれだけ真剣に企業が考えているか?」を理解するには、理念だけを聞いていてはダメ。具体的な話を聞いていかなければいけません。
そして、具体的な話といっても、全ての育成活動を詳細に聞く時間はないと思いますから、ターゲットを新人研修に絞りましょう。
新人研修は、あなたと同じような新人を育てるプログラムです。「その研修を受けていけば、自分がどう変身していくのか?」がイメージしやすいと思います。鮮明に「変身することがイメージ」できるような研修を持っている企業であればあるほど、良い新人研修を持っている企業であると言えます。
「一事が万事」という言葉をご存じでしょうか?新人研修をしっかりやっていない会社で、人材育成をしっかりやってる会社はありません。新人研修の充実度を具体的にチェックしていってください。「新人研修の動画配信」をしている会社であればカンタンにチェックできますが、実際にはそのような会社は少ないものです。
ではどうチェックするかというと、ヒアリング調査しかありません。いくつか具体的にやった方がよい質問を列挙すると
・新人育成の為の座学と、OJT(実地をしながらのトレーニング)の期間はどれくらいあるのか?研修後には、どのような状況になるのか?(研修後の到達イメージ・目標)
・それを行ってくれる担当者、担当部署はどんな人が行ってくれるのか?
・それぞれの、研修における基本方針は?(スパルタ式とか演習形式で考えを深くするのを重視していくなどの)
・入社1週間の真剣研修の具体的なカリキュラム&スケジュール。その際に使うテキスト。
これらをヒアリングしていってください。ただし注意点があります。「ハリボテの人材育成を考えている会社」の担当者からは、嫌われます。痛いところをあなたが質問してくるから。そんな会社からは嫌われるその覚悟はしながら、質問は行ってくださいね。
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