ABC、「補償」広告をオンラインでも対応
ネットワークテレビは番組が事前に保証した視聴率に達しなかった場合、広告主に「メークグッド」と呼ばれる補償をしなくてはならない。この場合、追加でCMを流すのが普通だが返金もありえる。
しかしABCは今シーズン(2007年秋~08年春)、新たな試みとして、ウェブサイトで(ABC.com)のメークグッドを提供し始めたようだ。
他のネットワークもウェブ上でメークグッドをテストしている模様である。
【ウェブのCM価値アップ】
ABCは、「ロスト」「デスパレットな妻たち」「グレイズ・アナトミー」といったトップ番組のウェブストリーミングで広告をつけているが、一社単独スポンサーにしている。
もしこれが広告主に評価されれば、これまで付加的な価値しかなかったウェブ広告の概念が変わるかもしれない。
実際、ウェブ広告のCPMがテレビより高く評価され始めた今、ウェブ広告は以前より価値のあるものになりつつある。
ちなみに、ウェブ視聴のCPMは、テレビより3分の1から4分の1は高いという。
また広告がインタラクティブ(双方向)であることも広告主に歓迎される。
しかしテレビに比べ、ウェブ番組の視聴者数はまだわずかである。またウェブの番組視聴の計測が信憑性のあるものかを疑うメディア役員も多い。
【補償のやりくり複雑】
春に終わった今シーズンはテレビ視聴者数が激減したため、FOX以外のネットワークはかなりの数のメークグッドを出さなければならない苦境に直面している。
ことしの夏中に「補償」を消化できればいいが、多くは秋の新シーズンに入ったあと、11月、12月ごろに追加CMを余儀なくされそうだ。
この時期はアップフロントで売買されなかった枠のCMが単発買いで高く売れるので、各ネットワークは複雑な営業を強いられることになる。
あるいは、人気のある番組のCM枠を増やして、メークグッドに充てるネットワークも出てくるだろう。
最終更新:2008年06月21日 04:46