欧州委員長「対米交渉で結束を」 スイス・ダボス会議で演説
2025年01月21日 22時25分
【ダボス共同】欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は21日、トランプ米政権の発足に関連して「大国間のルールは変化している。私たちは行動を変えなければならない」と述べ、貿易などの対米交渉に向けて欧州各国で結束する重要性を訴えた。
スイス東部ダボスで開かれている世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で演説した。フォンデアライエン氏は、貿易摩擦を抱える中国に関して「バランスの取れた関係を求める時が来た」と説明。摩擦の緩和を探りながら、経済的な連携を強化する意向を表明した。
ダボス会議は21日から本格的な討論が始まった。出席者は米政権の政策が世界に与える影響を議論。米国際政治学者のイアン・ブレマー氏は「私たちは貿易戦争と戦略的な経済のデカップリング(切り離し)に向かっている」と警鐘を鳴らした。
トランプ米大統領は、全世界からの輸入品に対する関税強化を打ち出している。ブレマー氏は「中国との取引が最も難しくなる。米中関係は今後、数カ月で劇的に変化するだろう」との見方を示した。