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脊髄損傷のまひ、回復促進 横浜市大、サルに化合物投与

化合物を投与したサルが餌を指でつかみ取るのに成功する様子(上)と、偽薬を投与したサルが餌をつかみ取るのに失敗する様子(下)(横浜市立大提供)
化合物を投与したサルが餌を指でつかみ取るのに成功する様子(上)と、偽薬を投与したサルが餌をつかみ取るのに失敗する様子(下)(横浜市立大提供)
  • 化合物を投与したサルが餌を指でつかみ取るのに成功する様子(上)と、偽薬を投与したサルが餌をつかみ取るのに失敗する様子(下)(横浜市立大提供)
2025年03月14日 15時53分

 横浜市立大などの研究チームは13日、富士フイルムと共同開発した化合物が、脊髄損傷で生じたまひに対するリハビリ効果を大きく促進することが分かったと発表した。ニホンザルを使った実験で確認した。チームの高橋琢哉教授は「数年以内の臨床試験開始を目指したい」としている。

 この化合物は「エドネルピクマレイン酸」。チームは、細い隙間から餌を落とさず指でつかみ取るようサルを訓練。脊髄を傷つけて指をまひさせ、3匹は化合物を投与し、別の3匹は偽薬を与えて、それぞれ餌をつかみ取るリハビリをした。

 すると偽薬を投与したサルでは、餌をつかみ取る成功率が約50日後でも50%程度だったが、化合物を投与したサルは40日前後でほぼ100%となった。投与したサルは、指の運動に関わる脳の領域が拡大していた。

 成果は国際専門誌に掲載された。高橋さんらは、この化合物が脳卒中後のまひに対するリハビリ促進効果があることを、サルなどの実験で明らかにし、2018年に発表。臨床試験を進めていた。

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