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ソニー,「PlayStation 4 Pro」を発表。噂の4K対応ハイエンドPS4は4万4980円(税別)で2016年11月10日発売
イベントだと,PS4 Proが搭載するGPUの性能は従来比で2倍以上(「more than doubled」)とされたが,ニュースリリースで明らかになった演算性能値は4.20 TFLOPS。オリジナルのPlayStation 4(以下,PS4)が1.84 TFLOPSなので,約2.28倍だ。
Polaris 10コアのフルスペックにあたる「Radeon RX 480」だと,演算ユニットたる「Compute Unit」数が36基。GCNアーキテクチャにおいて,Compute Unitはシェーダプロセッサ「Stream Processor」を64基統合するので,総シェーダプロセッサ数は2304基となるわけだが,仮にPS4 ProのカスタムAPUに統合されるGPUコアの規模がRadeon RX 480と同じレベルだとすると,GCNアーキテクチャではSPが1クロックで1積和算(2 FLOPS)を行えることから,
- 2304(Stream Processor)×2(FLOPS)×911MHz=4197888 MFLOPS
となる。仮にGPUコアクロックが911MHz――Radeon RX 480はベースクロック1120MHz,ブースト最大クロック1266MHzなので,APUに統合されるPS4 ProのGPUコアが900MHz台というのは十分に考えられよう――とすれば,計算上は合致するのである。
もちろんこの推測は,PS4 ProのGPUコアがPolarisマクロアーキテクチャ世代のものであるという前提に立つ必要があるのだが,PS4 Proの持つGPUのポテンシャルは,おおむねこんな感じではないだろうか。
- 4K表示に対応したディスプレイ接続時に,ゲームを4K描画もしくはアップスケールで表示でき,また,4K対応のNetflixやYouTubeストリーミングビデオを閲覧できる
- フルHD対応ディスプレイ接続時に,PS4用の全タイトルを1080p出力でき,さらに一部対応タイトルでは「より安定した高速なフレームレートで出力」(※日本語リリースより原文ママ)できる
ということになるだろう。
なお,残念ながら発表時点でメモリクロックは明らかになっていない。CPUコアとGPUコアで共有するGDDR5メモリの容量は8GBで,この点は従来型PS4と同じだ。
一方,判明したスペックではGPU性能以外にも,気になるポイントがある。イベントにおいてSIEは,「標準のHDD容量が1TBに」というのをアピールしていたが,追って公開となったプレスリリリースによると,無線LANが従来のIEEE 802.11g対応からIEEE 802.11ac対応になり,また,USBのポート数がフロント2基なのは変わらずながら,主に「PlayStation VR」との接続が想定される追加の1基が増えているのだ。いずれも,体感性能や使い勝手を大きく左右するグレードアップと言えるだろう。
そのほか主なスペックは表のとおり。3層構造なので,横置き時の高さが長くなったのではないかと思う人もいるだろうが,実際には横置き時の横幅と奥行きのほうが長くなっている。また,当たり前といえばそれまでだが,本体重量,消費電力とも増大した。
PS4 Pro | オリジナルPS4 | |
---|---|---|
CPUコア | Jaguar |
Jaguar |
GPUコア | 4.20 TFLOPS, AMD Radeon based graphics engine | GCNアーキテクチャ, |
メインメモリ兼グラフィックスメモリ | GDDR5, |
GDDR5, |
ストレージ | 2.5インチHDD(容量1TB) | 2.5インチHDD(容量500GB) |
読み出し専用光学ドライブ | Blu-ray 6倍速,DVD 8倍速 | Blu-ray 6倍速,DVD 8倍速 |
ビデオ&サウンド出力 | HDMI×1, 光角形デジタルサウンド出力×1 |
HDMI×1, 光角形デジタルサウンド出力×1 |
通信系機能 | 有線LAN:10BASE-T 無線LAN:IEEE 802.11ac, Bluetooth:4.0 |
有線LAN:10BASE-T 無線LAN:IEEE 802.11n, Bluetooth:2.1+EDR |
入出力端子 | USB 3.1(Type-A) |
USB 3.0(Type-A) AUX |
サイズ | 295(W) |
275(W) |
重量 | 約3.3kg | 約2.5kg(CUH-1200Aシリーズ) 約2.8kg(CUH-1000Aシリーズ) |
消費電力 | 最大310W | 最大230W(CUH-1200Aシリーズ) 最大250W(CUH-1000Aシリーズ) |
発売時点の価格(税別) | 4万4980円 / 399ドル | 3万9980円 / 399ドル(※CUH-1200A&CUH-1000Aシリーズ) |
SIEは発表会で,既存のPlayStation 4でも,今後登場するすべてのPS4用タイトルはプレイでき,オンラインでプレイするにあたっての垣根もないことを再三にわたって強調していた。なので,従来モデルを持っているなら,いますぐ買い換える必要はないと思われるが,スペックからすると,PS4 Proの価格設定が非常に魅力的なのも確かだ。
日本ではハイスペックな製品が好まれるという歴史を踏まえても,国内におけるPS4プラットフォームは今後,PS4 Proを中心に展開することになりそうな予感もあるが,さてどうなるだろうか。
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