【11月23日 AFP】イタリア美術の巨匠カラバッジョによる肖像画が、ローマで23日から初めて一般公開される。これまでに美術館で公開されたことはないという。

カラバッジョが手掛けた「マッフェオ・バルベリーニの肖像」は、ローマの貴族バルベリーニ家出身で、1623年にローマ教皇となったウルバヌス8世(1644年死去)を描いたもの。マッフェオ・バルベリーニは、カラバッジョのパトロンの友人でもあった。

1963年にカラバッジョの真作と鑑定した美術評論家のロベルト・ロンギ氏によれば、記録に含まれていないこの作品は何世紀にもわたってバルベリーニ家のコレクションとして収蔵され、1930年代に個人の手に渡った。

担当者のトーマス・クレメント・サロモン氏はAFPに、マッフェオ・バルベリーニは「強大な権力を持つ一方で、洗練された偉大な知識人でもあった」とし、そうした人物をカラバッジョが描いた作品は「極めて価値がある」と説明。

「これまで一度も展覧会に貸し出されたことはなく、美術館でも公開されていない。初めて披露される機会となる」「カラバッジョが手掛けた肖像画は片手で数えられるほどしかないため、専門家を含め、一般人に公開される機会としても特別だ」と話した。

「カラバッジョ/ベールを脱ぐ肖像画」と題された展覧会は、バルベリーニ家の旧廷宅で、現在は国立古代絵画館としても利用されているバルベリーニ宮殿で、今月23日から来年2月23日まで開催される。(c)AFP