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和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年03月05日(水)

農作物守るイノシシよけ 稲原中生徒が製作 和歌山県印南町

イノシシよけを作った生徒ら(和歌山県印南町印南原で)
イノシシよけを作った生徒ら(和歌山県印南町印南原で)
 和歌山県印南町印南原の稲原中学校の生徒がこのほど、町内で猟師の人数が減少し、農作物への鳥獣被害が増えていることから、イノシシよけを作った。人間と害獣の共生についての考えをまとめたリーフレットも作り、農家に配った。

 同校では、授業でもち米作りに取り組んでおり、その延長として1~3年の縦割りグループに分かれて、収量を増やすための方策について学習した。

 イノシシよけを作ったのは、3年生の松永彩寧さん、2年生の片山凛花さんと中家礼尊さん、1年生の大川瑛太さんの4人。鳥獣害対策について調べるグループで、4人はまず現状を知るために稲原地区の農家91人にアンケートを実施した。

 「イノシシをどこで何匹見たか」などを尋ね、地区内の被害状況を分析した。イノシシが山から下りてくる理由については、実際に猟師に聞くなどして調べた。

 学習を進め、イノシシは畑だけでなく駅や集会所など広範囲で目撃されていること、人間とイノシシがそれぞれの空間ですみ分けることが重要だと分かった。

 松永さんらは自分たちにできることはないかと考え、「暗闇で目が光るものを怖がる」という性格を利用したイノシシよけを作ることにした。試行錯誤を繰り返し「お面」と「大きな目」の2種類を考えた。

 お面は主に画用紙で作り、人の顔に似せている。目の部分や裏面には光沢のある素材を使った。「大きな目」はCDを目に見立て、目の光を表現した。これら二つをセットにし、稲原地区の農家に配布した。

 松永さんは「鳥獣害に困っている農家の人たちに使ってもらいたい。少しでも被害を減らすことができれば」と期待している。