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和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年03月06日(木)

「ざんきに堪えない」 当初予算案が74億円の収支不足、和歌山県知事が陳謝

和歌山県庁
和歌山県庁
 岸本周平和歌山県知事は4日の県議会一般質問で、県議会に提案中の2025年度一般会計当初予算案が、74億円の収支不足となることについて「ざんきに堪えない。皆さまにおわびを申し上げなければいけないと思っている」と陳謝した。

 予算案は総額6138億円で、24、23年度に次ぐ過去3番目の規模。赤字の74億円は、県債管理基金を取り崩して補う。知事は浜口太史議員(自民、新宮市)の質問に答え「知事に就任し、財政のプロを自認し、賢いやりくりをしていくと申し上げたが、残念ながら厳しい財政状況を乗り越えることができなかった」と述べた。

 知事は就任後の23年2月、このままでは貯金に当たる財政調整基金と県債管理基金の残高が25年度に枯渇するという試算を示し「財政危機警報」を発表。対策を講じ、28年度まで延命させるとしていたが、今年の試算では27年度に底を突く見通しとなった。

 知事は「危機警報より悪化する結果。より一層の危機感を持ち、賢いやりくりどころではなく、必死のパッチ(とても必死)のやりくりをする」と強調。「場合によっては新たな歳入確保策も検討する」とも述べた。

 浜口議員は新宮・東牟婁に救急科常勤医師がおらず、夜間はドクターヘリの運航ができないとし、救急医療体制強化への考えも聞いた。知事は25年度、県立医科大学付属病院の専門医が新宮市立医療センターなど地域中核病院の集中治療室を24時間態勢でみながら診療支援する仕組みを予定していると説明。今後、さらに医療人材の確保が厳しくなるとし「遠隔医療の取り組みを引き続き進めたい」と話した。

■補正予算案を可決 県議会

 県議会は4日、69億円を増額する2024年度一般会計補正予算案など15議案を可決した。

 補正予算案では主要事業として、介護や障害福祉関係の職場環境改善や賃上げ支援、災害時の食料安定供給維持に向けた卸売市場の施設整備、避難所で使う水循環型シャワー設備や簡易ベッドの配備費用を計上した。