英語の丁寧な表現方法15選!「英語に敬語はない」は嘘。
「英語には、日本語のような敬語表現がない」と思っていませんか?
英語にも、敬称(Mr./Sirなど)や丁寧語(Would/Couldなど)はあるけれど、日本語の尊敬語や謙譲語に当たる表現はないと一般的に考えられています。
けれど、実際に海外に行くと、英語を使ったコミュニケーションであっても、目上の人や初対面の人への配慮が言葉からとても伝わってきます。
「なんで彼らの使う英語には丁寧さや思いやりが感じられるのだろう?」「わたしの英語はぶしつけな印象になっていないかな?」と思うことが多かったのですが、最近受けた大学の授業のおかげで、その長年の疑問が解消されました。
英会話教室に2度、語学学校に3度、通っても教えてくれなかった丁寧な英語の表現。
青山学院大学文学部英米文学科に通うわたしが(テスト勉強も兼ねて)みなさんとシェアしたいと思います!
すぐに知りたい方は、「覚えておきたい英語の丁寧な表現方法15選」からどうぞ。
目次
ポライトネス(丁寧さ)とは?
会話の際に、情報の伝達と同時に、円滑なコミュニケーションのために話し手が相手や場面に対して示す心配りのこと。
日英の丁寧な言語行動に共通する2つのタイプ
1. わきまえ方式(=社会規範、人間関係、状況へのわきまえ)
<日本語>
目上の人に対する尊敬語。
<英語>
称号(Mr./Doctor…)
助動詞の過去形(Would you~?/Could you~?)
フォーマル表現の使用(×eat, ○dine)
2. 働きかけ方式(=その場の状況に応じて行う心配り)
<日本語&英語>
お世辞
<英語>
冗談
日英の丁寧な表現方法の違い
日英の敬語行動では、わきまえ方式と 働きかけ方式の比率が異なります!
英語で丁寧さを伝えるには、社会規範、人間関係、状況へのわきまえよりも、 その場の状況に応じて行う心配りが大事なポイントになるのです。
会話相手のメンツを傷つけないための5つの方法
丁寧さの理論の中でも、メジャーなBrown and Levinsonの理論。
噛み砕いて説明してみます。
「言葉を使ってコミュニケーションをする時に、相手のメンツを脅かす可能性がある言語表現がある。日常の会話で出来る限り、相手のメンツを傷つけないようにするため、話者は状況に応じて、5つの手段を用いる。」
(数字が大きくなるにつれて、相手のメンツを脅かす可能性は小さくなります。)
1. あからさまにそのまま言う
2. 積極的配慮を示す言い方をする(ポジティブ・ポライトネス)
3. 消極的配慮を示す言い方をする(ネガティブ・ポライトネス)
4. 言外にほのめかす言い方をする
5. 相手のメンツを脅かす可能性がある行為そのもを言わない
覚えておきたい英語の丁寧な表現方法15選
英語の丁寧な表現方法は数えきれないほどあるのですが、ここでは消極的配慮と積極的配慮の中から、わたしが特に留学中に身に覚えがあり、すぐに実践できそうなものを選んでご紹介します!
1. 垣根表現(言いたいことを弱める)
「その案、少し難しいと思うな。」(rather/kind ofなどの使用)
2. 悲観的になる
「出来たら、日曜日にパーティーに来れる?」(If possible)
3. 相手の負担を軽くする
「10秒で戻ります!」(Hold on a minute.の代わりにHold on a second.など)
4. 一般化する
わたしたちは、テーブルの上には立たないのよ。
5. 非人称化する
It is expected that you will do this job.(We expectの代わりに)
6. 相手のモノ・コトに注意を向ける
「髪切った?」「これ新しいバッグ?」
7. 聞き手への関心を示す
「昨日はなにしてたの?」「週末はどこかに行った?」
8. 同調を探す
「今日は暑いね?」(It is hot today, isn’t it?)
9. 反対意見を回避する
A:「ワシントンに住んでいるんだっけ?」
B:「ワシントンはわたしが生まれた場所だよ。」
(「ワシントンに住んでない」とは言わない)
10. 共通の場を作る
「このパーティー、すごく素敵だよね。」
11. 冗談を言う
「この古いガラクタ貸してくれない?」(新品の車を指しながら)
12. 楽観的な態度
Gimme your camera.(Could you lend me your camere?ではなく)
13. 自分と聞き手を行動に含める
一緒に掃除しようよ!(Let’sの使用)
14. 理由を伝える
「風邪気味だから、今日は欠席するね!」(becauseの使用)
15. 相互関係を示す
「もし〜をしてくれたら、〜をするね!」(貸しを作らない)
(前列中央がわたし。@カナダの語学学校)
日本語と英語では言語体系がちがうので、英語の丁寧な表現方法に気がつきにくいですが、外国人との会話を思い返すと、どれも納得できる伝え方だったのではないかと思います。
CouldやWouldという単語レベルの表現だけでなく、英語圏の文化を理解した上での心配りが出来たら、素敵だと思いませんか?
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