別大電車や寝台特急「富士」 大分市で県内鉄道の変遷たどる

中沢絢乃
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 県内の鉄道の移り変わりをテーマにした展示「むかしなつかし大分の鉄道」が、大分市国分の市歴史資料館で開かれている。1900年に開通した九州初の電車「別大(べつだい)電車」に始まる鉄道の歩みが当時の写真や車両の一部とともに紹介されている。10月17日まで。

 入り口にJR久大線のもととなった「大湯(だいとう)鉄道」の蒸気機関車を写した大きな壁掛け。展示スペースには大分駅南口付近の発掘調査で見つかった汽車土瓶(お茶の販売容器)、「ブルートレイン」として親しまれた寝台特急「富士」や「彗星(すいせい)」のヘッドマーク、旧大分駅舎の写真などが並ぶ。資料はJR九州大分支社、大分交通、九州鉄道記念館(北九州市)のほか、個人の鉄道コレクターからも借り受けた。

 同館が所有する「大分駅機関庫」の写真は、今回初めて公開された。扇形で8両が入る転車台付きの機関庫が旧大分駅の南東側、現在の同市要町付近にあったことが分かっている。第2次世界大戦後の46年4月に米軍機が駅周辺や機関庫を撮影したカラー映像(米国立公文書館所蔵)も見ることができる。

 企画した学芸員の塩地潤一さん(52)は「大分市の街中に路面電車が走り、市や村が資金を出してつくった私鉄が国に買収されて大きくなっていったという歴史を、子どもや若い人にもぜひ知ってほしい」と話した。午前9時~午後5時(入館は同4時半まで)。大人210円、高校生100円、中学生以下は無料。問い合わせは同館(097・549・0880)へ。

 JR九州大分支社は別府、亀川、豊後豊岡3駅の開業110周年を記念したスタンプラリーを12月19日まで開催中(大分、西大分、東別府3駅でも11月1日から開催)。この展示とタイアップし、各駅と同館にスタンプを設置し、集めた人に記念缶バッジをプレゼントする。

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