「北方四島をロシア名に」 元ロシア副首相、軍艦名などへの変更提案

根本晃
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 ロシアの宇宙機関ロスコスモス総裁で元ロシア副首相のロゴジン氏が23日、北方四島の名称を、日露戦争で戦ったロシア軍艦の名称などのロシア名に変更することを提案した。国内のラジオ番組で発言した。

 北方四島はロシアでも日本での名称と同様に呼ばれている。ロゴジン氏はラジオで「これらの島々はロシアに帰属しているにもかかわらず、なぜロシアの名前がついていないのか」と異議を唱え、日露戦争で戦ったロシアの巡洋艦「ワリャーグ」や砲艦「コレーツ」といった名称に変えることを提案した。

 北方四島の地位について、ロシアは第2次大戦の結果旧ソ連の領土になったとする立場だ。ロシアのネットメディア「サハリン・インフォ」はロゴジン氏の発言について「改名の実現性は現時点で定かではない」とした上で、「影響力のある人物の力を借りて反応を見極めるのはロシア政府のよくやる手段である一方、ロゴジン氏個人の意見である可能性もある」と指摘した。

 ロゴジン氏は副首相時代の2015年、日本政府が当時のメドベージェフ首相による択捉島訪問に反発したことを受け、ツイッターに「彼らが本物の男であるならば、伝統に従いハラキリをして落ち着くべきだ」と投稿して物議を醸した。

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この記事を書いた人
根本晃
イスタンブール支局長|中東・欧州担当
専門・関心分野
国際政治、トルコ、ガザ、ウクライナ、語学