SNS批判に揺れる女性支援 性虐待の20代「居場所なくさないで」
虐待や性暴力、貧困などの困難に直面する10~20代女性への民間団体の支援活動に障害が生じている。SNSで保護シェルターや相談の場所などを無断で拡散する「晒(さら)し」が相次ぎ、閉鎖や一時休止に追い込まれるケースも。国は「暴言や威力などで事業が妨害されている疑いがある」とみて、自治体に警察への相談も含めて対応を検討するよう要請した。「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」(女性支援法)の施行まで1年。こうした課題の解決とともに支援体制の立て直しが急がれる。
「住所」拡散で起きたこと
瞬く間だった。昨年12月、NPO法人「BONDプロジェクト」が都内に構えていたシェルターの住所の一部が、ツイッターで拡散された。施設の場所を一般に広く公開していなかったのは、保護した女性の安全と安心感を守るためだった。
BOND側は、女性が安心して住めなくなったと判断。計2カ所の施設を閉鎖した。保護中の3人は別の場所へ移ってもらった。
この半年以上、若年女性への支援事業を行政から委託された民間団体について、活動実態や支出を疑問視するSNS投稿が続いている。今回の「晒し」は、そうした中で起きた。
やまない炎上、広がる動揺
支援を受ける側の女性たちも動揺した。
「また燃えてる……」。批判…