朝日地球会議で、言論サイトRe:Ron(リロン)の連携セッション「『はて?』から始める 私たちと世界はどう変われるか」が10月26日、東京・八重洲で開かれた。NHK連続テレビ小説「虎に翼」脚本家の吉田恵里香さん、政治学者の重田園江さん、リロンのアドバイザーでもある国際政治学者の三牧聖子さんが、「はて?」をキーワードに足元からグローバルな課題までを語り合った。
「はて?」は、「虎に翼」の主人公・寅子が、納得いかない、疑問を感じるという場面で発する言葉だ。まずは吉田さんが「声をあげること、当たり前のことがたたかれる」と自身の「はて?」を提起。「声を上げていくこと、皆が思っていることを口に出したほうが良い」という作品テーマの動機として、当たり前のことを口にすると怒る人がいたり、会話さえできなかったりすることがあり、脚本執筆当時も今も感じている疑問だという。寅子の「はて?」には、「いったん落ち着こう」という意味も込めた、と吉田さん。「皆怒られたくないし、自分が当たり前にやってきたことを否定されると受け止められない。感情的になるのをいったんおさめて『会話しよう』というのが日常でも大事だと思う」
「はて?」について三牧さんは「ちょっと変化球で、一緒に考えてくれませんかという新しい問いのスタイル」と指摘。重田さんは、男女雇用機会均等法の第1世代として、女性はおかしいと思った時に「ブチ切れながら何か言う」か「我慢する」かの二択しかなかったと振り返り、「どちらかになっていたものを中間的な言葉でうまく表現してくれた」と語った。
主権者とは、について問いかけた重田園江さん、米大統領選をめぐる三牧聖子さんの「はて?」について、さらに対話を深めます。
重田さんの「はて?」は「“…
- 【視点】
「はて?」という言葉の絶妙さが記事によく表れています。「声をあげる」と言うと、強い言葉が想定されますが、人はなかなか、それほど強い確信と確かな根拠をもって「それはおかしい!」と言えるものではありませんし、強く言えば、それだけ強い反作用がわ
…続きを読む