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第1回黙秘の被告に「引きこもり」「低学年」 重大事件で検事が暴言連発

有料記事歪む「使命感」 ある重大事件の取調室の中で

山本逸生 阿部峻介
【動画】歪む「使命感」 ある重大事件の取調室の中で
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 その取り調べは少し趣が違った。

 腰縄で椅子にくくりつけられたまま、黙秘を続ける被告。机を挟んで向き合う男性検事(36)は穏やかな口調で、しかし、一方的に話し始めた。

 検事「捜査機関はいろんな人に感謝される。家に引きこもっていると、感謝されることもほとんどないでしょう」

 被告「……」

 検事「引きこもりのまま人生を終えても、少なくとも社会にマイナスを与えない。それだけでも重要」

 被告「……」

 そして、検事はたたみかけた。

 「木村さんは全然、替えがきく。逮捕されても誰も困らない」「すごくかわいそうな人」

 「木村さん」とは、のちに殺人未遂の罪で起訴される木村隆二被告(25)。選挙演説会場で岸田文雄首相(当時)に向けて自作の「パイプ爆弾」を投げたとして、逮捕された人物だ。

 見下して、辱める――。

 録画された取り調べは「気遣い」から始まり、急激にゆがんでいった。

最高検、「不適正な取り調べ」と認定 そのやりとりは

 「体調どうですか」…

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この記事を書いた人
山本逸生
大阪社会部|裁判担当
専門・関心分野
司法、福祉、労働
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    本田由紀
    (東京大学大学院教育学研究科教授)
    2024年11月21日7時0分 投稿
    【視点】

    検事といういわゆる「エリート」が、被告や人々全般をどう見ているかが、特に次の発言には表れている。 「憲法とか法律の専門家は私も含めてメジャーリーガーだとして、一般の人は幼稚園児くらい。木村さんはあれだけ勉強して、小学校低学年ぐらいの知識は持

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    上西充子
    (法政大学教授)
    2024年11月21日8時29分 投稿
    【視点】

     この検事の語りからは、「更生」の視点が全く感じられない。相手が罪を認め、服役し、社会に戻ってきて、再び社会の中で生きていく――そこまでを見通した中で、検事として担うべき役割は、と考えるならば、相手の人としての尊厳に傷をつけるみずからの言動

    …続きを読む

連載歪む「使命感」 ある重大事件の取調室の中で(全4回)

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