【動画】歪む「使命感」 ある重大事件の取調室の中で
その取り調べは少し趣が違った。
腰縄で椅子にくくりつけられたまま、黙秘を続ける被告。机を挟んで向き合う男性検事(36)は穏やかな口調で、しかし、一方的に話し始めた。
検事「捜査機関はいろんな人に感謝される。家に引きこもっていると、感謝されることもほとんどないでしょう」
被告「……」
検事「引きこもりのまま人生を終えても、少なくとも社会にマイナスを与えない。それだけでも重要」
被告「……」
そして、検事はたたみかけた。
「木村さんは全然、替えがきく。逮捕されても誰も困らない」「すごくかわいそうな人」
「木村さん」とは、のちに殺人未遂の罪で起訴される木村隆二被告(25)。選挙演説会場で岸田文雄首相(当時)に向けて自作の「パイプ爆弾」を投げたとして、逮捕された人物だ。
見下して、辱める――。
録画された取り調べは「気遣い」から始まり、急激にゆがんでいった。
最高検、「不適正な取り調べ」と認定 そのやりとりは
「体調どうですか」…