「教員になったら奨学金の返済免除」政府に提言へ 自民特命委
自民党の「令和の教育人材確保に関する特命委員会」は10日、教員として一定期間勤務した場合、大学などに在学中に借りた奨学金の返済を免除・軽減する仕組みの創設などを盛り込んだ提言案をまとめた。この日の特命委の会合で、案が大筋で了承された。
教員の長時間労働が問題となるなか、公立学校の教員採用試験の受験者は全国的に減り続けている。特命委は人材確保の観点から、教員の待遇改善のあり方などを議論してきた。
この日まとめた提言案には「優れた人材が教職に就くよう学生の教職への魅力を高める観点から、教師として一定期間以上勤務した場合に、奨学金の返還を免除・軽減する仕組みの構築に向けて取り組む必要がある」と明記した。
教員給与、「残業代なし」は維持
また、公立学校教員に残業代を支払わない代わりに、基本給の4%の「教職調整額」を上乗せ支給すると定める「教員給与特措法(給特法)」については、教職調整額の比率を4%から10%以上に引き上げたり、学級担任手当を創設したりすることが必要だとした。
残業代を支払わないとする給特法の規定に対しては、教育現場などから廃止を求める声が出ている。だが提言案では、教員の仕事は時間では計れないとして、廃止は見送った。
今後、政府に提言する予定で、文科省が具体策の検討を始める。
奨学金の返済免除を巡っては、旧日本育英会(現・日本学生支援機構)が奨学金事業を実施していた時代に、教育や研究の職に携わる人を対象とした同様の返済免除制度があったが、廃止されている。
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- 【解説】
自民・特命委員会の提言は教職調整額のことだけがクローズアップされ、批判されている部分もあると思いますが、全体を読むと「働き方改革」「処遇改善」「人員の増員・定数改善」「その他工夫」という感じで、バランスよく、しかもそれぞれに踏み込んだことが
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