マクロン氏とバイデン氏の危うい状況、NATOとEUに落とす影

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Roger Cohen/The New York Times 抄訳=天野みすず/朝日新聞GLOBE編集部
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With Macron and Biden Vulnerable, So Is Europe

 6月、バイデン米大統領はマクロン仏大統領とともに、フランス・ノルマンディーの断崖に立ち、80年前にナチス・ドイツの砲弾の雨のなかをよじ登って上陸した若い兵士たちを追悼した。「彼らは何の疑いもなく、戦い、命をかける価値があるものの存在を知っていた」

 バイデン氏は、その価値には自由、民主主義、米国、そして世界が含まれているとし、「当時も今も、そして永遠にだ」と言った。マクロン氏が米仏の「血の絆」について語ったのは感動的な瞬間だった。しかし、わずか数週間後、どちらのリーダーも、自分たちが大切にしている価値観を守る能力はより脆(もろ)くなったように見える。

 米仏両国は北大西洋条約機構(NATO)の柱であり、ウクライナの自由をロシアから守り、戦後の統合された欧州を築いてきた柱だ。両国はこれまでの国際公約を覆しかねないナショナリスト勢力に直面しており、世界を未知の領域に放り込もうとしている。

「NATOとEUがこれほど困難な課題に直面したことはない」。NYTのパリ支局長は、フランス国内の状況を軸にその理由を解説しています。

 バイデン氏は討論会で、トラ…

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