イプシロンSが燃焼試験で爆発か JAXA基幹ロケット、昨年も事故
日本の基幹ロケット「イプシロンS」実証機のモーター燃焼試験が26日、鹿児島県の種子島宇宙センターであり、なんらかの異常が発生した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、爆発が起きた可能性があり、被害は確認中。半径約600メートル以内の立ち入り規制をしており、今のところけが人がいるとの情報は入っていないという。
昨年の試験では爆発事故を起こしており、今回は対策を講じての再挑戦だった。
試験は午前8時半に始まった。中継映像では、45秒後に「ドン」という音とともに火花が散り、火柱と白煙が広がった。
イプシロンは、JAXAとIHIエアロスペースが開発した固体燃料ロケットで、2013年に初号機が打ち上げられた。次の7号機は、第2段モーターを大型化した改良版「イプシロンS」の実証機となる。この日の試験では、改良された2段目のモーターの燃焼性能を確認する予定だった。
昨年7月の試験では、モーターが爆発して能代ロケット実験場(秋田県)の試験棟が全焼した。高温になって溶けた部品の一部がモーター内の隙間に入り込み、推進薬が着火したことが原因だった。そのため、今回はこの部品を断熱材で覆う対策を取ったという。
「イプシロンS」実証機は今年度中の打ち上げを予定していたが、絶望的となった。(佐々木凌)