ベネチアへの情熱を紹介 奈良原一高さんの作品展、島根県立美術館で

大村治郎
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 戦後日本の写真界をリードした写真家・奈良原一高(いっこう)さん(1931~2020)のイタリアの海上都市ベネチアを舞台にした作品群を紹介する「奈良原一高 ヴェネツィアの光と闇」が、島根県立美術館松江市袖師町)で開かれている。

 奈良原さんは福岡県大牟田市生まれ。父の転勤に伴う転校が続き、戦後の1年間、松江高校で学んだ。同館は1995年の準備室設立以来、奈良原さんを重点作家として作品収集や展覧会準備を進めてきた。2020年度に遺族から305点の作品の寄贈を受け、全775点のコレクションとなった。

 今回は奈良原さんがベネチアを舞台に撮影した写真集「光の回廊―サン・マルコ」「ヴェネツィアの夜」「ヴェネツィアの光」の3部作から108点を展示。同館によると、奈良原さんはベネチアに没頭し、1970年代末から80年代にかけて毎年のように通い、撮影を続けたという。特にベネチアの「夜」に魅せられ、「ヴェネツィアの夜」は奈良原さんの代表作の一つとなった。

 蔦谷典子・主任学芸員は「奈良原さんの『ヴェネツィアの夜』に掲載された作品すべてを、作家本人の珠玉のプリントで堪能できる好機」と話す。来年1月13日まで。観覧料は一般300円、大学生200円。高校生以下は無料。火曜と12月28日~1月1日は休館(12月17、24日は開館)。問い合わせは同館(0852・55・4700)へ。

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