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【アクセル開度比較】公道でより楽しめるにはどちら? マクラーレン720S vs マツダMX-5

公開 : 2020.01.01 18:50

マクラーレン720SとマツダMX-5のどちらがより公道上で楽しめるモデルか、同じコースを舞台に、制限速度を守ったまま同じようなペースで走行した場合のアクセル開度を比較しました。掲げるプライスタグには圧倒的な差のある2台ですが、より楽しめるのはどちらでしょうか。

ある疑問 無用の存在?

ガルフブルーのボディに、同じくガルフオイルを象徴するオレンジ色のステッチで彩られたキャビンを組み合わせた720Sは、これまで見たなかで最高のルックスを持つマクラーレンだ。

思慮深い人物のためのサルーンモデルといえばサーブであり、ラグジュアリーモデルならブリストル、そして、スーパーカーならマクラーレンだと思っている。

このマツダの価格は、オプション装着前の720Sよりも22万5695ポンド(3169万円)も安価なものだ。
このマツダの価格は、オプション装着前の720Sよりも22万5695ポンド(3169万円)も安価なものだ。

マクラーレンというブランドの生真面目さはそのマシンにも表れている。一切スイッチ類を持たない現代のスポーツカーとしては最高のステアリングは、単にマシンの進む方向を操るためだけにあり、マクラーレンでは自らの顧客とのことをクライアントではなくカスタマーと呼んでいる。

このマクラーレン720Sはフェルサムにある英国版AUTOCARの車両基地からピックアップしたものだ。数週間前にはサン=トロペでマクラーレンの新型モデル、GTの試乗を行っているが、このクルマも720Sと同じような印象だった。

快適な乗り心地と素晴らしいステアリング、そして驚異的なパワー。もちろん、720Sには及ばないが、それでもこうしたマシンに乗り込む時にはいつもワクワクするものだ。

だが、10分後、M3号線に入ると最初の興奮はフラストレーションへと変わり、こうした驚異的なマシンのステアリングを握っている時に感じるある思いが甦って来る。つまり、こうしたマシンというのは無用の存在であり、現代の交通状況や交通ルールのもとではまったく役に立たないものだという思いだ。

味わいたいのは限界

もちろん720Sのようなマシンであれば、停まっているだけでも十分素晴らしいが、個人的にはドライビングそのものを楽しみたいのであり、ロンドン中心部を1速ギアのままノロノロと這いずり廻るようなマネをしても決して満足など出来ない。

だが、それ以上に味わいたいのは、マシンの能力を最後の一滴まで使い切っているという感覚であり、パワーとグリップ、ダイナミクス性能の限界だ。

720Sにはテレメトリーシステムが備わっていた。
720Sにはテレメトリーシステムが備わっていた。

わたしが自宅ガレージで小型飛行機を作ったことを覚えておいでかも知れない。

あれから6年が経つが、その楽しみは望めばいつでも能力の限界ギリギリまで使い切ることができるという点にあり、燃料代さえ気にしなければ322km/hものスピードで飛ぶことも可能だ。

そしてこれは完全に合法であり、ループやロールも思いのままに飛ぶことが出来る。

つまり、この飛行機を製作するために費やした努力と、維持費を含めたコストのすべてが報われているということだ。

だからこそ、公道上でマクラーレン720Sが持つ能力のうち、どれだけを実際に使いこなせているかが気になる。

これはフランスでGTを走らせている時にも感じた疑問であり、そして、この答えを知る方法が存在することにも気が付いていた。

可能な限り制限速度を遵守したままお気に入りのコースを走らせてみた後、車両診断システムにコンピュータをつなげば、多くのデータとともにアクセル開度の記録も確認出来るはずだ。

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