オバマ米大統領 パリ襲撃現場で犠牲者を追悼
オバマ米大統領は29日、パリ連続襲撃事件で最も多い90人の犠牲者を出したバタクラン・コンサート・ホール前を訪れ、犠牲者を追悼した。
国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)出席のためパリを訪れた同大統領は、オルリー空港に到着した後すぐ襲撃現場に向かった。フランスのオランド大統領、パリ市長のアン・イダルゴ氏と共に仮設の祭壇に前に立ったオバマ氏は、1本の白いバラを捧げた。
30日に開幕するCOP21には約150カ国の首脳が出席する予定。
オバマ大統領訪問に伴って警戒体制が強化され、警備のヘリコプターが現場上空を飛び、付近の道路は封鎖された。
オバマ大統領はバラを捧げた後、こうべを垂れ、手の指を組んで、しばらく黙祷した。その後オランド大統領とイダルゴ市長の背中に手を置いて襲撃現場を離れた。
<ビデオ>バタクラン・ホール前で犠牲者を追悼するオバマ米大統領とオランド仏大統領
襲撃犯がパリ市内と郊外の7カ所で銃を乱射し自爆した今月13日の連続襲撃事件では、合計130人が死亡し、360人以上が負傷。過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出している。
フランスでは依然として非常事態宣言が発令されている。
フランスの検察は、少なくとも11人が3つの連携するグループに分かれ、襲撃を実行したとみている。
11人のうち、これまで9人が死亡。サラ・アブデスラム、モハメド・アブリニ両容疑者の行方は依然として分かっていない。
フランスの警察は国内で数百回にわたり家宅捜索を実施している。一部の襲撃犯はベルギーのブリュッセル出身で、ブリュッセル各地でも家宅捜索は行われている。
29日には気候変動対策を求める活動家らがパリ市内でデモを行い、警察と衝突。200人以上が逮捕された。活動家たちは連続襲撃事件後に中止が決まったデモ行進のルートに沿って人間の鎖を作っていた。
レピュブリック広場に集まったデモ参加者の一部はフランス政府による非常事態宣言に抗議していたが、主催者たちはデモとの関連を否定した。