米ユタ州、ポルノは公衆衛生を害するものと

ユタ州の人口の63%近くがモルモン教徒

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米ユタ州は19日、ポルノは公衆衛生を害するものだと全米で初めて宣言した。ギャリ―・ハーバート知事が法案に署名したことを受けて、成立した。

法律はポルノを禁止してはいないが、ポルノへの接触と依存を防ぐため努力を強化するよう求めている。

法律はポルノが「性的に害のある環境を継続的」に作りだし、「我々の社会の10代若者を、時には思春期前の児童さえ、過剰に性的にしている」と指弾している。

このため法律は、ポルノの「蔓延」に対抗するため「地域と社会の段階で教育、防止、研究、および政策変更」を実現していかなくてはならないと呼びかけている。

法案に署名したハーバート知事は、社会にあふれるポルノの量は「とてつもない」と述べた。

ハーバード・ビジネス・スクールが2009年に発表した研究によると、米国でオンライン・ポルノ利用者数が最も多いのはユタ州だという指摘がある。

一方で、ポルノに依存性はないかもしれないという研究もある。

排除か議論か

ポルノに反対する活動団体「Fight the New Drug」(新しい麻薬と戦え)が、この法案を支持してきた。団体の創設者はいずれも、末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教)の信者だと指摘されている。

ユタ州住民の63%近くがモルモン教信者だが、「Fight the New Drug」幹部は教会のための活動ではないと主張している。

これに対して、ポルノ産業の団体「The Free Speech Coalition」(表現の自由連合)は、さらなる対話を呼びかけている。

「The Free Speech Coalition」の広報担当マイク・スタビル氏は、「性に関する話題をタブー視するのではなく、オープンに語り合い、繊細かつきちんとした知識に基づいて話し合える社会が望ましい」と述べ、「未成年者が成人向けのものを手にできないよう、みんなで協力すべきだ」と呼びかけた。