ミャンマーで武装集団が軍を襲撃 兵士4人が死亡

画像提供, AFP/Getty Images
ミャンマー西部のラカイン州で11日、武装集団が軍を襲撃し、少なくとも兵士4人が死亡した。ミャンマー軍が明らかにした。
国営メディアによると、拳銃や刀、ナイフで武装した300人の男たちが兵士らを襲った。
先週末には、バングラデシュとの国境近くで起きた組織的な攻撃で9人の警察官が殺害された。
ラカイン州では長らく、イスラム教徒が大多数を占める少数民族ロヒンギャの人々と仏教徒の間で緊張関係が続いている。
ミャンマーの主要都市ヤンゴンで取材するBBCのジョナ・フィッシャー記者によると、ラカイン州で最近活発になった武装集団の黒幕が誰かは明らかでないものの、ロヒンギャ族が相次ぐ攻撃に関係しているとみられている。
この見方が正しい場合には、ラカイン州で懸念すべき新たな状況が生じたのを示していると、フィッシャー記者は指摘する。
攻撃が起きた地域にメディアが入ることは許されていない。
2012年には、ラカイン州の地元住民による騒動で100人以上が殺害され、多数のロヒンギャ族が難民キャンプに避難した。難民キャンプには依然として多くの人が居住している。
ロヒンギャ族の人々は自分たちをアラブ商人の子孫だとしており、何世代も前からミャンマーに住んできたと主張している。
しかし、ミャンマーで多数派を占める仏教徒は、ロヒンギャ族の人々をベンガル人の移民だとみなしており、政府はロヒンギャ族に市民権を与えていない。


画像提供, AFP/Getty Images

画像提供, AFP/Getty Images
AFP通信によると、11日にバングラデシュ国境近くのマウンドーで起きた対立で1人が死亡した。
国営メディアによると、軍はこのほか7人の死体を発見。目撃者はBBCに対し、死体は集団墓地に投げ捨てられていたと話した。
国連は「深い懸念」を表明し、対立する双方に「最大限の抑制を実行」するよう求めた。
国連事務総長のミャンマー特別顧問、ビジャ・ナンビアール氏は、「このような微妙な岐路にあるなかで、地元社会の全階層の人が事件に挑発されるのを拒否しなくてはならない。彼らの指導者は、仏教徒とイスラム教徒それぞれの共同社会の、お互いに対する敵意もしくは憎しみを煽ることがないよう、積極的に協力しなくてはならない」と述べた。