行方不明の韓国・ソウル市長、遺体で発見 娘に書き置きと
韓国のソウル市警察庁は10日未明、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長(64)が市内の山中で亡くなっているのを発見したと発表した。家族からの捜索願を受けて、9日夕から警察が行方を探していた。
朴市長の娘は、市長が書き置きを残して公邸を出たため、警察に連絡したとされている。
市長の遺体はソウル北部の北岳山で発見された。携帯電話の電波が最後に確認された場所の近くだという。
死因はまだ発表されていない。
警察は、朴市長が失踪する数時間前に、女性スタッフが朴氏によるセクハラの被害届を警察に提出していたことも明らかにした。ただし、これが関係するかは確認されていない。
ソウル市のキム・ジヒョン氏はAP通信に、市長が9日には欠勤し、大統領府当局者との会議を中止していたことを明らかにした。
ソウル市警のイ・ビョンスク警官は記者団に、携帯電話の電波が最後に確認された地点に近い森林地区の入り口付近で、午前10時53分に防犯カメラが朴市長の姿を捉えていたと版下。
警官・消防士が600人態勢で、ドローンや捜索犬を使いながらその周辺を数時間にわたり探したという。
9日深夜には、朴市長が発見され搬送されたという未確認情報をもとに、ソウル大学病院の外に大勢が集まった。
朴市長は2011年に初当選し、昨年6月に最後となる3期目に当選した。ソウル市長の3選は初めてのことだった。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が率いる「共に民主党」の一員で、2022年大統領選への出馬も取りざたされていた。
朴氏は、民主化を求める市民運動に取り組んだ人権派弁護士としてソウル市長になり、韓国国内の社会格差や汚職を厳しく糾弾してきた。
弁護士としては、国内初のセクハラ有罪判決を獲得した弁護士として知られていた。
朴槿恵(パク・クネ)前大統領と対立し、やがて前大統領の弾劾罷免と実刑判決へと至った2016年後半からの大規模な抗議集会を、公然と支持していた。