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殺戮都市
終わりの始まり
殺された……二人が。


動かない身体を無理矢理動かして、ゆっくりと振り返ってみると……そこには、お互いに抱き締めて横たわる怪物が二匹。


頭部から血が流れ、すでに絶命している事が分かる。


「こうしてやる事が、二人にとっては良いんだ。このまま生かしておけば……いつかどこかで別のやつに殺される」


その言葉が正しくないとは言わない。


間違っているなんて思わないし、こんな姿で生きるのは幸せなのかと亜美の顔を見て思ったのは事実。


もしもそう思っていなければ、恵梨香さんを何としてでも止めただろうし、二人を守っていたはずだ。


もちろん守りたいという思いがなかったわけじゃない。


だからこそ、迷ってしまって身体が動かなかったんだ。


「分かっていますよ……分かってるけど、こんなのあんまりじゃないですか」


表情はいつもと変わっていないだろう。


でも、目からは涙が溢れて、二人の亡骸をまともに見る事さえ出来ないでいた。


「こういう街だと分かっているだろう?元の世界の考えのままだと、私達がいつか死んでしまうんだ」


俺はその言葉に何も反論する事が出来ずに、命を落とした二人の傍に立ち尽くしていた。
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