距離感ゼロ 〜副社長と私の恋の攻防戦〜
もう少しつき合って
パーティーが無事にお開きとなると、芹奈は駐車場に待機していた運転手に連絡して車を回してくれるよう伝えた。
ロビーに下りてエントランスを出ると、スーッと車がロータリーに横付けされる。
「社長、本日もお疲れ様でございました」
「うん、里見くんもね。今夜はもうここで大丈夫だ。お疲れ様」
「はい、それでは失礼いたします」
社長が乗り込んだ車が見えなくなるまで、芹奈は深々と頭を下げて見送った。
「ふう、無事に終わって良かった」
ホッとして肩の力を抜き、ロビーに戻ったところで村尾とばったり会う。
「芹奈、お疲れ。俺、これから車で社に戻るけど、送ろうか?」
「あれ?村尾くん、副社長についてなくていいの?」
「ああ。ほら、今夜はここに泊まっていかれるそうだから」
「あ、そうだったね」
「うん。芹奈は?会社に用事ある?」
「ううん、ないよ。着替えたらうちに帰るだけだから大丈夫。ありがとね」
「そっか。じゃあ、またな。お疲れ」
お疲れ様、と言って別れると、芹奈はクロークに行き、番号札を渡す。
「ありがとうございました」と荷物を受け取って振り返ると、大きな人影が目に入って、わっ!と思わず仰け反った。
「もう上がりか?」
低い声で話しかけられ、芹奈は顔を上げる。
パーティーの時のスーツ姿のまま、翔がすぐ目の前に立っていた。
「副社長!お疲れ様でした。はい、私も上がらせていただきます」
「じゃあ、ちょっと部屋に来て」
「は?」
ポカンとする芹奈に背を向けると、翔はスタスタと歩いて行く。
仕方なく芹奈もあとを追いかけた。
ロビーに下りてエントランスを出ると、スーッと車がロータリーに横付けされる。
「社長、本日もお疲れ様でございました」
「うん、里見くんもね。今夜はもうここで大丈夫だ。お疲れ様」
「はい、それでは失礼いたします」
社長が乗り込んだ車が見えなくなるまで、芹奈は深々と頭を下げて見送った。
「ふう、無事に終わって良かった」
ホッとして肩の力を抜き、ロビーに戻ったところで村尾とばったり会う。
「芹奈、お疲れ。俺、これから車で社に戻るけど、送ろうか?」
「あれ?村尾くん、副社長についてなくていいの?」
「ああ。ほら、今夜はここに泊まっていかれるそうだから」
「あ、そうだったね」
「うん。芹奈は?会社に用事ある?」
「ううん、ないよ。着替えたらうちに帰るだけだから大丈夫。ありがとね」
「そっか。じゃあ、またな。お疲れ」
お疲れ様、と言って別れると、芹奈はクロークに行き、番号札を渡す。
「ありがとうございました」と荷物を受け取って振り返ると、大きな人影が目に入って、わっ!と思わず仰け反った。
「もう上がりか?」
低い声で話しかけられ、芹奈は顔を上げる。
パーティーの時のスーツ姿のまま、翔がすぐ目の前に立っていた。
「副社長!お疲れ様でした。はい、私も上がらせていただきます」
「じゃあ、ちょっと部屋に来て」
「は?」
ポカンとする芹奈に背を向けると、翔はスタスタと歩いて行く。
仕方なく芹奈もあとを追いかけた。