ラファ難民キャンプ空爆は「虐殺」、国際社会から非難相次ぐ
(CNN) イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区南部ラファの難民キャンプを空爆し、少なくとも45人が死亡、200人が負傷者したことをめぐり、国際社会から非難の声が高まっている。犠牲者の多くは女性と子どもだった。
イスラエルのネタニヤフ首相は空爆を「悲劇的な過ち」と呼び、イスラエルが事件を調査していると述べた。
CNNが入手した映像では、キャンプが炎に包まれ、大勢の男女や子どもたちが夜間の襲撃から身を隠そうと必死になっている様子が映し出されていた。子どもたちのものも含む焼死体が救助隊によって残骸から引きずり出されるのが見えた。
この攻撃の数日前には、国際司法裁判所(ICJ)がイスラエルに攻撃停止を命じていた。複数の人道支援団体は国連安全保障理事会に対し「即時の行動が必要だ」と訴え、裁判所の命令を執行するよう求めている。
国連のグテーレス事務総長は「ガザに安全な場所はない。この恐怖は止めなければならない」と激しく非難した。国連の外交官によると、国連安全保障理事会は28日に緊急会合を開き、今回の空爆について協議する予定だ。
フランスのマクロン大統領は今回の空爆に怒りをあらわにし、停戦を求めた。ドイツは子どもを含む焼死体の映像を「耐え難い」と批判した。
欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表は、イスラエルはICJの命令を履行すべきだと訴えた。トルコのエルドアン大統領はこの空爆を「虐殺」と呼び、イスラエル当局者らの責任を追及するために「あらゆる手段を尽くす」と糾弾した。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリーニ事務局長は「昨夜の映像はラファがいかにこの世の地獄と化したかを物語っている」と述べた。昨夜のラファの光景は悲惨で、何人かの犠牲者は「焼け死んだと伝えられている」という。
カタール外務省は、難民キャンプへの攻撃は「重大な国際法違反」であり、人質の解放と停戦を目指す交渉を妨げる可能性があるとの懸念を表明した。