「路上の遺体が野良犬の餌に」 救急隊員が語るガザ北部の惨状
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区の救急隊の責任者がこのほどCNNの取材に応じ、イスラエル軍による攻撃が続く中、ガザ北部の路上には遺体が散乱し、道路は破壊され、人々は空腹を抱えているなどと惨状を語った。
ガザ北部の救急隊の責任者を務めるファレス・アファナ氏は14日、ジャバリアの状況をCNNに明らかにした。アファナ氏は腹を空かせた野良犬が路上の遺体を食べており、このため遺体の身元を特定するのが難しいと説明した。
アファナ氏によると、イスラエル軍が12日間にわたってジャバリアの3地区に空爆と地上攻撃を行っており、「何千人もの子ども」と妊婦らが孤立しているという。
イスラエル国防軍(IDF)はジャバリアで態勢を立て直そうとしているイスラム組織ハマスを標的にしていると説明している。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は13日、ジャバリアから少なくとも5万人が避難したと発表。ガザ北部に残っている40万人は飢えに苦しみ、砲撃に脅かされているとして、イスラエル軍を非難している。
アファナ氏は国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営する支援物資の倉庫で食べ物を探していた住民にイスラエル軍の部隊が発砲したと明らかにした。
UNRWAによると、ジャバリアの食料配給センターへの14日の砲撃で少なくとも10人が死亡、40人が負傷したとみられるという。
ガザ当局は同日、イスラエル軍が今月初めにガザ北部への攻撃を開始してから342人が犠牲になったと明らかにした。ガザの市民防衛隊によると、15日にはガザ北部で17人が死亡したという。