世界中で人気のスマートフォンゲーム「ポケモンGO」を開発したアメリカの「ナイアンティック」が、ゲーム事業の売却について、サウジアラビア政府傘下のゲーム開発会社と交渉しているとアメリカメディアが報じた。“オイルマネー”でゲームはどのように変わるのか、専門家に聞いた。

サウジ傘下の会社に約5300億円で売却検討中と報道

世界中で楽しまれている人気のスマートフォンゲーム「ポケモンGO」に、ある変化があった。

アメリカ・ブルームバーグが報道
アメリカ・ブルームバーグが報道
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ブルームバーグ通信:
「ポケモンGO」ナイアンティック ゲーム部門 売却合意近い

「ポケモンGO」の買収を検討しているとされる「スコープリー」
「ポケモンGO」の買収を検討しているとされる「スコープリー」

アメリカのブルームバーグが、「ポケモンGO」を開発したアメリカの「ナイアンティック」が今回、ゲーム事業の売却について交渉していると報じたのだ。

売却の交渉相手は、潤沢なオイルマネーを持つサウジアラビア政府の傘下で、数々のスマホゲームを開発している「スコープリー」。検討されている売却価格は約35億ドル、日本円で約5300億円と報じている。

サウジでは2001年ポケモン禁止も専門家「影響ほぼなくなっている」

世界的な人気の「ポケモンGO」にサウジアラビアのオイルマネーが入ると、ゲームはどのように変わるのだろうか。

20日、東京・秋葉原には、ゲームに熱中する「ポケモンGO」ユーザーの姿があった。

「ポケモンGO」買収の動きに、ユーザーからは「ガラリと何かが変わってしまうという一抹の不安は抱えながらも、半永久的に愛されるアプリになっていくのではと期待もしている」「不具合がなくなればいいなと思う」「会社は変わっても仕様は変えないでほしい」と言った声が聞かれた。

「ポケモンGO」は位置情報と連動し、画面上に現れるポケモンを捕まえるゲーム。直近のプレーヤー数は月1億人を超えていて、世界中で定期的にイベントが開かれている。

一方、サウジアラビアでは2001年、ポケモンが“進化”する世界観がイスラム教の教義に反するとして、ポケモンカードゲームなどが禁止された。

サウジアラビア政府系の企業は、なぜ「ポケモンGO」買収を検討しているのか。

「今のサウジアラビアはエンタメコンテンツに力を入れている」と古里卓巳さん
「今のサウジアラビアはエンタメコンテンツに力を入れている」と古里卓巳さん

専門家によると、今のサウジアラビアは石油から脱却を掲げ、エンタメコンテンツに力を入れているという。

ルーディムス株式会社・古里卓巳COO:
約20年前のポケモン禁止が今に影響しているかといったら、ほぼなくなっているというのが僕らの見解。エンタメにこれまであった縛りがどんどん緩和化されてきている。(2024年)10月か11月くらいにポケモンGOがサウジアラビアで正式にリリースされている。普通に街中でも基本的に遊べる。

豚肉禁止のイスラム国家、サウジアラビアにおいて、豚がモチーフのポケモンに影響は出るのだろうか。

サウジアラビアのガイドライン最新版では「豚をゲームに登場させてはいけない」という禁止事項はないという
サウジアラビアのガイドライン最新版では「豚をゲームに登場させてはいけない」という禁止事項はないという

ルーディムス株式会社・古里卓巳COO:
(サウジアラビアの)ガイドラインの最新版を読んだら、豚をゲームに登場させてはいけないという禁止事項はない。特に(ゲーム内容の)変更はないと思います。

また、オイルマネーの資本が入ることで、ゲームの運営が安定するメリットもあるという。

「ポケモンGO」は買収されるのか、今後の動きに注目だ。
(「イット!」2月20日放送より)

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