政権交代を望む人の方が多い!
週末に行われたFNN(フジニュースネットワーク)と産経新聞の合同世論調査によると、次の衆院選後の政権として「自民公明を中心とした政権の継続」を望む人が40%だったの対し、「いまの野党を中心とした政権交代」を望む人は49%と10ポイント近く上回った。朝日新聞は「継続」33、「交代」54で差は20ポイントもある。
この記事の画像(8枚)政党支持率を見ると与野党の差はまだあるのだが、朝日と読売新聞が聞いた比例投票先を見ると、立憲民主党と日本維新の会を足した数が自民党の数とほぼ同じである。つまり各党とも「支持者」そのものの数はあまり変わっていないが、特定の政党を支持しない無党派層が政権交代を望んでいるということだ。
政権交代が現実に近づく中で、また「あの人」がトンデモないことをしてしまった。
産経新聞によると20日、中国の呉江浩駐日大使が、台湾との関係をめぐり日本政府が中国の分断に加担すれば「日本の民衆が火の中に連れ込まれる」と発言したのだが、なぜかそこに同席していた鳩山由紀夫元首相が「基本的に同意する」と述べたというのだ。これはイカン。
呉大使は2023年4月にも同様の「火の中」発言を日本記者クラブで行い、日本政府から抗議を受けているが、明らかに確信犯だ。またやるだろう。
問題はそんな人の話を聞きに中国大使館までノコノコ出かけていき、「火の中」発言に同意してしまった鳩山氏である。産経には呉大使の話を神妙に聞く鳩山氏と、2009年に一緒に連立を組んだ社民党の福島瑞穂党首の写真が載っていて、笑うしかなかった。
息子の方がしっかりしている
これについて鳩山氏の長男、紀一郎氏がSNSのXで「父と対話した」と投稿していた。
紀一郎氏によると鳩山氏が「同意する」と述べたのは、中国大使の「日本政府は、一つの中国を理解尊重すべきだ」という発言に対するものだったが、その上で鳩山氏は「一部の日本の政治家による訪台が中国政府にとって挑発行為になる」と述べたという。
これに対して紀一郎氏は、日本の政治家の訪台について、中国大使が武力行使をほのめかすような脅迫的文言を使っていることに対し、明確な反対をしなかったことが批判を受けてしまうのはやむを得ないなどと反論したという。お父さんより息子の方がよほどしっかりしているではないか。
立憲民主党としては「そんな人はウチには関係ありません」と言いたいかもしれないが、今回のようなことがあると、やはり前身の民主党政権における鳩山由紀夫首相の「最低でも県外」「トラストミー」発言による日米安保の「一時的崩壊」を思い出す人は多いだろう。あれはやはり安倍晋三元首相が言ったように「悪夢」であった。
次の衆院選で与党が過半数割れし、政権交代する可能性はあると思うのだが、なぜそのような大事な時期にニュースのネタになるようなことをやらかすのか。立憲の人たちが少しかわいそうになった。
ところで、この中国大使発言に対しての日本政府の対応は「抗議した」だけで、呉大使を外務省に呼びつけたわけでもなく、はっきり言って「弱腰」なのだが、正論を述べた政治家が一人いた。
いろいろな意見の人がいてもいいのだが
民主から立憲を経由して今は無所属の松原仁衆院議員で、彼は「呉大使を国外追放にすべき」との質問主意書を提出した。政府や自民党が弱腰の中で松原氏の主張は筋が通っている。旧民主でもいろいろな意見の人がいるものだ。
話は変わるが、最近の政治資金規正法改正をめぐって、立憲の小沢一郎衆院議員が、立憲が掲げている企業団体献金の禁止案について「企業が悪だという前提に立っている」とした上で、「反対だ。何を馬鹿なことをやっているんだ」と執行部を批判し、「自由なところは自由にし、全部公表すれば良い。いいか悪いかは国民が審判する」と述べた。
これも岸田文雄首相よりはるかに正論を言っていると思う。つまり旧民主の人たちの中にも正しいことを言う人はたくさんいる。もちろん間違ったことを言う人もいる。それは自民も同じだ。
問題は意見が違っても最後に話し合いで解決できるかということだ。
これから先、政権交代が起きるかもしれない。そこに立憲が入るかもしれない。一つだけ言えることは、政権をともにする場合、いろいろな意見を持つのは構わない、ただそれが互いに相いれないなら一緒に政治はやらない方がいいと思う。これまでそれで必ず破綻しているからだ。
政権内で意見が統一できず安保や経済がストップしてしまうのは国民にとって甚だ迷惑な話だ。政権を狙う人たちはそこを肝に銘じるべきだと思う。