資源の高騰により社会問題化している“銅線泥棒”。2023年の銅線を含む金属の被害総額は、約132億8700万円にのぼる。
犯行の一部始終を捉えた動画で狙われたのは、太陽光発電所の銅線ケーブルだった。

金属の窃盗被害は5年間で約4倍に急増

2024年7月12日、午前4時42分に入った110番通報。

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目撃者:
太陽光発電所から銅線を盗んでいます。

目撃者が撮影した映像には、太陽光発電所の“銅線泥棒”の犯行の一部始終が映っていた。

栃木・那須塩原市の路上で、ケーブルを運ぶ黒い服を着た男ら。

路上に置かれた長いケーブルを、手慣れたように大きなハサミのような工具で切ると…。

ズルズルと引きずりながら、車の中へ運び込む。

運転席から5人目が下りてくると、カットした銅線を運び始める。
さらに、路上に残った長い銅線を再び工具でカット。手際よく車に積み込むと、男らは車に乗り込みその場から走り去った。

警察は、この動画から車両を特定し、19日に新たにタイ人の男2人を逮捕した。
この事件では、すでに2人の男が逮捕・起訴されている。

この日、犯人グループが狙った太陽光発電所は4カ所。
盗まれた銅線ケーブルは、合計約432メートル、時価総額約276万7500円相当にのぼる。

20日、その1カ所に行ってみると、盗難対策のプレートが貼られ、施錠がされていた。

金属が盗まれる被害は この5年間で約4倍に急増。
2024年は、初めて2万件を超えた。

対策が急がれる中、20日、盗まれた銅線ケーブルと知りながら買い取った疑いで、中国人のリサイクル会社社長・張延強容疑者(37)が逮捕された。

警察庁の有識者検討会では、金属の買い取りについて、本人確認の厳格化や買い取り業者の届け出制を導入することを求めている。
(「イット!」2月20日放送より)