ShowNetのローカル5G企画(2022年、2023年)
Interop Tokyo 2024のShowNetを理解するために、過去のShowNetを振り返る記事のローカル5G編です。 ローカル5Gも、2024年のShowNetでは主要な企画のひとつになるようです。
2022年と2023年のローカル5G企画の概要としては、以下のようになっていました。
- 2022年
-
- 多種多様(7系統)のローカル5G実現方式をシールドテント内で動態展示
- 端末/RAN/コアの相互接続
- 2023年
- 実験試験局による3つのSub6バンドを使ったサービス運用・提供
以下、それぞれを紹介します。
2022年のローカル5G企画
もともと、2020年がローカル5Gの免許交付開始で、その年にローカル5G企画の準備をすすめていたようですが、残念ながら2020年は新型コロナによる非常事態宣言がInterop Tokyo開催前に発令されてしまい、Interop Tokyoの幕張メッセ開催が中止(※オンライン開催のみ)になってしまいました。
その後、Interop Tokyoで最初のローカル5G企画が実現したのが2022年でした。 募集をかけたところ多くのコントリビューションが集まり、7系統のローカル5Gデモが行われたとのことでした。
2022年のローカル5G企画では、免許を取得せず、電波をシールドすることができるシールドテントの中でローカル5Gの機器を使っていました。 シールドテントの中で、基地局と端末が設置されてのデモや相互接続実験などが行われました。
2022年は、スペアナによるシールドテント内外での電波測定も行われていました。 シールドテント内の電波が外に漏洩していないことを確認するために、テント外での測定が常時実施されていました。
また、シールドテント内で運用されている基地局と端末の電波が干渉していないなどを確認するために、シールドテント内でも測定が行われていました。
PTP(Precision Time Protocol)
2022年から、ローカル5GとMedia over IPの企画でPTP(Precision Time Protocol)の需要が発生したため、PTPによる時刻同期サービスがShowNetで行われています。
なぜPTPがローカル5Gで必要か?ですが、5Gでは、同一の周波数帯でアップリンクとダウンリンクを行うTDD(Time Division Duplex/時分割複信)という方法で通信が行われます。 5Gの無線機機同士が同期したタイミングでの送受信を行うことを求めており、許容される時間の誤差は1.5マイクロ秒です。
このため、精度の高い時刻同期が求められるのですが、GPS/GNSSの時刻情報を利用して時刻同期を行えるPTPが利用されます。
2023年のローカル5G企画
2023年は、シールドテントを使わず、Sub6実験試験局の免許をNEC、シスコシステムズ、NTTコミュニケーションズの3社が取得して、幕張メッセのホール内に電波を飛ばしてローカル5Gの運用が行われました。
ローカル5GとMECを使ったデモとして行われたのが、NOC機材置き場の監視カメラです。 MEC統合型UPFに、扉解放検知AIが含まれており、機材置き場の扉が開きっぱなしになっているのを検知できるようになっていました。
可搬型の映像中継システムとローカル5Gを組み合わせ、その映像をMedia over IP企画で使うというデモも2023年に行われていました。
2023年は、幕張メッセのホール内でローカル5Gを運用していましたが、幕張メッセ周辺に電波が漏れていないことを確認するために、会期中は定期的に幕張メッセ周辺で電波の観測を行っていたとのことでした。
2024年
2024年のローカル5Gの取り組みに関しては別途記事を書いたので、こちらをご覧ください。
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