優秀である、期待しているという評価をわかりやすく形にする方法。それはお金。生き馬の目を抜くような競争が繰り広げられるAI業界では、他社より少しでも先をいくために大金が飛び交っています。その中でも人材獲得は大きなポイント。
業界相場の2倍
AI市場を牽引しているのが、ChatGPT有するOpen AIのサム・アルトマン氏。そして、そのアルトマンとどうにも長年仲が悪くバチバチ状態にあるのが、xAIを持つイーロン・マスク氏。両者/ 両社の間で、人材獲得競争が激化しています。激化とはつまり、お給料高額化です。
Business Insiderが両社のお給料事情を調査、報道しています。ソースとなっているのは、アメリカ国外からの人材獲得のためのビザ取得申請で公にされているデータ。これを比較すると、両社ともに、同じレベルの役職でのお給料は業界平均のずっと上。具体的には37%から87%多いといいます。
マスク氏のxAIは、現状、社員は100人ほど。その中でビザ申請にある役職は10ほどで、最もお給料が少ない役のエンジニアで25万ドル(約3800万円)、最も高いのはマシンラーニング主要エンジニアで5万ドル(約7700万円)。後者は、米労働省が収集する業界賃金相場の2倍にもなります。
一方、アルトマン氏のOpenAIの社員は数千人。お給料は14万5000ドル(約2200万円)から53万(約8100万円)ドル。会社の規模が多く事務部署もあるため、お給料の幅が広くなっています。
今回のお給料調査にはなかったものの、Meta、Google(グーグル)、Microsoft(マイクロソフト)もAI人材獲得競争に参加しています。
ただし、今急速に盛り上がりを見せるAI業界だけに、この超高額お給料も驚くべき額ではないようですが…。
マスク vs. アルトマン
マスク氏とアルトマン氏の関係が難しい理由は、AI企業として単純なライバル関係ではないこと。そう、マスク氏は元々OpenAIの中の人。が、方向性の違いから離脱するも、その数年後、OpenAIは爆発的に成長しました。それが影響してか、マスク氏のOpenAIへのライバル意識は強く、X上でGrokを公開してシェア獲得に励んだり、非営利団体ではなくなったOpenAIに金返せと司法に訴えたりと忙しくしています。
OpenAIとxAIの2社には、合計500億ドル以上が投資されている状況です。