覚醒剤を所持しながら面識のない男性宅に侵入したとして、金沢中署は10日、住居侵入と覚醒剤取締法違反(所持)の疑いで、金沢市泉が丘1丁目、金沢西高音楽教諭、深見納(おさむ)容疑者(55)を逮捕したと発表した。署によると、深見容疑者は覚醒剤の所持容疑について「今は言いたくありません」と認否を留保している。石川県教委によると、データが残る平成以降で、教員が覚醒剤事件で逮捕されるのは初めて。同校は11日午後1時半から、保護者説明会を開く。
●11日保護者説明会
逮捕容疑は8日午後9時半ごろ、正当な理由がないのに金沢市内の40代男性方のアパート一室に侵入し、その際、覚醒剤約0・4グラムを所持していた疑い。
署によると、玄関から侵入した深見容疑者を家にいた男性が取り押さえ、110番通報した。2人に面識はなかった。駆け付けた警察官が所持品を調べたところ、衣服から覚醒剤が見つかった。
深見容疑者は「玄関の鍵が開いていたので、勝手に入った」と住居侵入容疑は認めている。金沢中署は10日、金沢地検に送致した。
県教委や同校によると、深見容疑者は1年生の担任で、音楽部の顧問を務めている。逮捕された8日は朝、高校に「私用がある」と連絡を入れて休んでいた。
同校は10日、学年ごとに集会を開いたほか、スクールカウンセラーによる個人面談を行った。佐藤昌宏校長は取材に対し、「生徒、保護者、県民の信頼を裏切ってしまい、誠に申し訳ない。生徒の心のケアを最優先に取り組む」と謝罪した。
●教育長「極めて遺憾」
現職の教員が逮捕されたことを受け、石川県教委は10日、県庁で臨時の学校長会議を開き、綱紀粛正を求めた。北野喜樹教育長は「薬物乱用が社会問題となる中、極めて遺憾である。事実関係を確認し、厳正に対処していく」と述べた。