- 作者: いづみやおとは
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2010/07/17
- メディア: コミック
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女子高生と殺し屋少女の物語
女子高生「真崎」と殺し屋少女「ひなげし」のガールミーツガール物語。キャラクタは魅力的だし、武器のチョイスが独特なところもナイス。ただ、女性に比べ男性キャラの描き方が極端に雑なところはどうかと。ごちゃごちゃ感の目立つアクションシーンや、どことなく流血萌えっぽい雰囲気も、あたしには今ひとつかなあ。ただし肝心の百合部分は背骨がきっちり通ってますし、全編にみなぎるフトモモ愛もよかったです。
百合部分、よかったです
真崎とひなげしの一目惚れの場面が白眉。出会っていきなり恋に落ち、名前も知らないままキスするというスピード展開なのに、まったく違和感がないんですよ。表情といい台詞といい、キスに至るまでの演出がうまいんですね、要するに。再会以降のふたりのやりとりもよく練られているし、「黒ストッキングを脱がせて怪我の手当をする」なんていうフェチな場面の色っぽさも特筆ものでした。メインカプ以外では、ロゼとヴィオラの姉妹百合もよかったです。さりげないキスシーンが、下手なセックスよりエロエロだったりして。
キャラの性格とかフトモモとか
キャラの性格に奥行きがあっていい感じ。特に真崎がテンプレ天然キャラにとどまらず、意外な強さや大胆さを持ち合わせているところが好印象でした。また、あとがき漫画で作者さん自ら「女子のフトモモ タマラーン!」と叫んでおられるだけあって、みずみずしいフトモモの描き方もすばらしいです。殺しの武器として大真面目に「巨大ハサミ」や「巨大まち針」を持ってくるという大胆さも面白いと思いました。フィクションらしいこういう大嘘、大好きです。
今いちだったところ
まず、いくら1回きりの使い捨てキャラだからと言って、男性キャラを全部顔もよくわからないぼやけた姿にしてしまうのはどうかと。男が手とちんこしか出て来ないエロマンガじゃないんですから。いや、「百合に男はいらん」派の読者層はかえって喜ぶかもですが。ひょっとしたらあのぼんやりした線は、対男性嫌悪読者用特殊モザイクだったのかしら。
バトルシーンの画面が見づらいところも今ひとつ。たとえばp. 52の下半分など、本をひっくり返して逆さから見たり、キャラ設定絵でひなげしの服装(特に手首周辺)を確認したりして、ようやく状況を把握した次第です。お話の内容が内容ですし、このへんは改善の余地ありでは。
最後に、流血に陶酔するっぽい雰囲気が多少読む人を選ぶと思います。苛烈・残虐なスプラッター映画ならいくらでも楽しく見られるあたしですが、こういう中高生ノリはちょっとなあ。
まとめ
やや低年齢層向けな部分はありますが、キャラは生き生きしているし、ラブストーリーとしての演出もうまく、楽しく読みました。今後アクションシーンや男性の描き方が改善されたら、さらに嬉しいところ。2巻にも期待してます。