私が家計簿に1円単位で収支を付けているという話を書いたりしゃべったりすると「カテゴリ分けはどうしていますか?」という質問を受けます。カテゴリを細かく分けたほうがいいのでしょうか、それとも大まかな方がいいのでしょうか。
私が家計簿に1円単位で収支を付けているという話を書いたりしゃべったりすると「カテゴリ分けはどうしていますか?」という質問を受けます。そこがかなり面倒くさいと思われるのでしょう。
よくあるように「食費」「雑貨」「光熱費」などと項目別にやってもいいと思います。ですが、この分類方法はたくさんの細かな項目を作ることになり、それ自体が面倒。それに作った多くの項目を正確に選択することも面倒です。私もそういうカテゴリを持ってはいますがさほど重視していません。それより以下の、三大カテゴリに重きを置いています。それは、
です。これらをMacやiPhoneで同期できる「iCompta」(iPhone版:250円)という家計簿アプリで記録しています。このアプリは大カテゴリにサブカテゴリを作れるタイプで、カテゴリごとに色分けもできます。これにこり出すととても面倒なので、私は先ほどのように大カテゴリを少なめに作り、それだけを色分けしています。
これによって知りたいことがあるのです。それは「無駄遣いの比率」です。無駄遣いしているということは、つまりそれくらいの余裕があるわけです。無駄遣いというのは、
のいずれか。この2つだけをいつでも区別できるようにしておけば「何か欲しくなった」時や「節約しなければいけなくなった」時に見るべきものをすぐに探し出せます。ここがデジタルを使う利点の1つでしょう。例えば先月の支出内訳を見ると、上のようになっています。たったこれだけの情報から結構いろいろなことが分かります。
まず旅行をしたので「無駄遣い」がかなり多くなっていること。確かに旅行ができるということはある意味余裕があるということでもあります。それから決して減らせない支出(税金など)が26%あるということ。支出総額は伏せましたが、もちろんそれがいくらであるかも把握できます。これだけは常時支払いとしてでると考える必要があるわけです。
節約が必要になれば当然赤いパイの中身を見ればいいわけです。だいたい外食だのジュースだのになっているはず。これらをゼロにすると精神的にきつくはなりますが、やむを得ないときにはそうすべきでしょう。「減らせる支出」はゼロにはできないですが、ここからいくらかの余裕を削っていくこともできます。
といったことを知っておくだけでも家計簿をつける価値は十二分にあります。これはとても簡単にできることです。ある支出を記録したとき「これはなくせるか? 削れるか? 絶対発生するか?」を考えるだけで済むことです。
心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。著書に、『スピードハックス』『チームハックス』のほか『ブレインハックス』、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』、『やる気ハックス』などがある。「シゴタノ!−仕事を楽しくする研究日誌」にて「心理ハック」を連載中。ブログ「ライフハックス心理学」主宰。
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