池袋の顔ともいえる西武池袋本店(東京都豊島区)に、ヨドバシカメラが出店する計画が進んでいる件について、高野之夫豊島区長が反対を表明したことが波紋を呼んでいる。
高野区長によれば、「決して、ヨドバシの進出に異を唱えているわけではなく、今まで私たちが築いてきた、池袋全体のまちづくり構想を壊してほしくないというお願いである」としている。
つまり、西武の低層階にヨドバシが出店すれば、ルイ・ヴィトン、グッチ、エルメス、ティファニーのような海外高級ブランドの撤退につながる。これら海外ブランドを含めて西武が撤退すれば、池袋から文化の土壌が消失してしまう懸念があるというのだ。
池袋東口はちょうど西武を扇の要として、放射状に道路が走っているイメージがある。その要の位置に何があるのかが、街のイメージを決めるとして、高野区長にしてみれば、現状を変更しないでほしいと考えている。
そもそも、ヨドバシが池袋に進出してくる構想は、M&Aによって固まった。西武百貨店を運営するのは、そごう・西武という会社。その親会社であるセブン&アイ・ホールディングスが、11月11日の臨時取締役会で、そごう・西武の全株式を、米国投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループに売却すると決めた。
フォートレスがアライアンスを組んでいるのが、ヨドバシだった。
そごう・西武は2005年よりセブン&アイの傘下となり、再建を目指していたが業績が低迷し続けていた。そごう・西武は現状10店舗を経営しており、その内訳は、西武が6店(池袋、渋谷、所沢S.C.、東戸塚S.C.、福井、秋田)で、そごうは4店(横浜・千葉・広島・大宮)。
これら10店は、基本的にヨドバシとその傘下にある石井スポーツを核とした商業施設として、再開発されると目される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング