ベンチャーキャピタルへの投資に各社が注力している。中でもソニーグループは、数々の企業にこれまで投資し、成長を続けてきた企業だ。1946年の創業以来、エレクトロニクス分野から音楽、金融、映画、ゲームなど幅広い領域に事業を拡大してきた。
こうした拡大を下支えしてきたのは、ソニーが自前で技術開発を重ねてきただけではない。ふさわしい技術を持つその時々のベンチャーに的確に投資を重ねてきた側面があるからだ。だが投資する側にとって、この「技術の見極め」は難しく、課題となっている。
ソニーはいったいどのようにして、この「技術の見極め」をしてきたのか。ソニーイノベーションファンドを率い、ソニーグループ副社長CSOを務める御供(みとも)俊元さんが8月に実施された「事業開発SUMMIT2023」に登壇。主催したリブ・コンサルティング代表取締役の関厳さんとの対談の中で、ソニーがどのようにベンチャーに投資してきたのかを語った。3回に分けてお届けする。
御供俊元(みとも としもと)ソニーグループ株式会社 執行役 副社長CSO。知的財産、事業戦略、ビジネスディベロップメント、事業開発プラットフォーム担当。1985年ソニー株式会社(現ソニーグループ株式会社)入社。1993年より、ソニーの米国法人であるSony Corporation of Americaに赴任し、主に知的財産の観点から新規事業および投資に携わる。2013年の帰任と同時に業務執行役員に就任し、その後16年にソニーのCorporate Venture Capitalである、Sony Innovation Fundを設立(現在も担当役員としてけん引)。さらに21年には、事業開発プラットフォームが担当領域に加わり、23年4月より現職に至る
関 厳(せき いわお) 株式会社リブ・コンサルティング 代表取締役。東京大学卒業後、大手経営コンサルティング会社に入社。住宅・不動産、自動車、電機メーカー、卸売など幅広い業界のコンサルティング業務に従事した後、ボードメンバーとしてコンサルティング部門を統括。2012年「“100年後の世界を良くする会社”を増やす」を理念としてリブ・コンサルティングを設立。現在は当社代表に加えて株式会社Impact Venture Capitalの代表パートナーも務める
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