2010年度の冬春の商戦期に向けて、国内メーカー最多となる5台のスマートフォンを投入するシャープ。同社が目指すスマートフォン事業、そしてコンテンツプラットフォーム「GALAPAGOS」との関係とは。シャープの大畠氏が説明した。
シャープは11月15日、2010年度冬春商戦向け携帯電話の事業説明会を開催した。今回は同社のスマートフォンの取り組みを中心とした内容で、端末とコンテンツを含め、国内外でどのようにスマートフォン事業を展開していくかが明かされた。
シャープが2010年冬から2011年春にかけて投入するスマートフォンは、NTTドコモ向けが「LYNX 3D SH-03C」、au向けが「IS03」「IS05」、ソフトバンクモバイル向けが「GALAPAGOS 003SH」「GALAPAGOS 005SH」の計5機種。これは今回の商戦期で1メーカーが投入するスマートフォンとしては最多となる。同社 情報通信事業統轄の大畠昌巳氏は、「スマートフォン市場が活況を呈しており、Androidのシェアが急激に高まっている。MM総研の調査によると、2010年にAndroidのシェアは17.7%、2014年には30%近いシェアを獲得するといわれている」と説明。同氏はさらに、この調査の数字よりも早くスマートフォンへのシフトが進むとみており、ラインアップを早期に拡大してスマートフォン事業をけん引していく姿勢を示した。
今回シャープが発表した5機種のスマートフォンは、いずれもおサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信など、ケータイで慣れ親しんだサービスや機能を備えている。IS03は3.5インチのダブルVGA液晶、SH-03Cと003SHは3D液晶、SH-03C、IS03、003SHは960万画素CCDカメラを搭載するなど、ハードウェアの性能にもこだわった。「これまでのスマートフォンは、ケータイの機能やサービスが使えなかったので、乗り換えに躊躇するお客さんが多かった」。また「ユーザーが増えるごとに、スマートフォンへのニーズも多様化する」ことから「市場参入するのは今が好機」とシャープは考え、「ケータイで使えたものをスマートフォンでも使いたい」というユーザーの期待に応えていく。
スマートフォンの販売目標について大畠氏は「2〜3年のうちに国内で500万台を実現したい」と話し、2011年はケータイと同程度の30%ほどのシェアをスマートフォンでも取りたいとした。
2011年以降はさらに多くのメーカーがスマートフォンを投入することが予想される。その中で差別化を図るポイントとして大畠氏は「液晶とカメラ」を挙げる。ディスプレイは端末のデザインにも関わってくるが、「狭額縁設計の開発をさらに進めるなど、液晶の存在感の強さは今後もアピールしていきたい」。
UI(ユーザーインタフェース)については「キャリアの考えもある」ため、キャリアの枠を超えて全く同じUIが出ることはないという。実際、冬モデルでは003SHが独自UIとして「TapFlowUI」を採用し、カメラ、画像一覧、アドレス帳のグラフィックや操作性を工夫した。「2011年以降にさらに多くのメーカーからスマートフォンが出ると、各キャリアの特色もさらに色濃くなるのでは」と大畠氏はみる。
一方で、これまでのケータイを使いたいというユーザーももちろん存在するので、AQUOS SHOTやコンパクトな防水ケータイ、フルタッチ型のiモード端末など、従来のケータイも多彩なラインアップをそろえた。
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