ワークマン「水冷服」の涼しさはファン付きウエアを超えた! バイクで走ると、走行風で涼しさ倍増
ワークマンが1万6800円(税込)で販売している「ウィンドコアアイスマン水冷服」は、ホースを循環する冷水によって上半身をクールダウンするというもので、バイクに限らずアウトドア全般でも活躍しそうです。実際の使用感はどうなのかレビューしてみました。
地球温暖化が加速する昨今。ライダーにとって冬よりも厳しい環境と言えるのが、連日猛暑が続く真夏ではないでしょうか。バイクにはエアコンがないので、少しでも涼を得るためのアイテムが毎年のように登場しています。
今回紹介するのは、ワークマンが1万6800円(税込)で販売している「ウィンドコアアイスマン水冷服」です。ホースを循環する冷水によって上半身をクールダウンするというもので、バイクに限らずアウトドア全般でも活躍しそうです。実際の使用感はどうなのかレビューしてみました。
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ファン付きウエアはライダー用としては不向きだった
建築業界をはじめとするワークシーンで定番となっている涼感アイテムと言えば、「ファン付きウエア」でしょう。電動ファンによって衣服内に空気の流れを作り、汗を積極的に気化させて涼を得るというもので、現在の市場規模は200億円とも言われています。
ファン付きウエアが誕生したのはおよそ20年前のこと。2007年には空調服専業メーカー・空調服とホンダがコラボし、電動ファン付きのライディングジャケットが発売されました。これは当時としては画期的だったのですが、残念ながらライダーの間に根付くことはなく、数シーズンでディスコンとなってしまいました。
ファン付きウエアは衣服内に空気の流れを作るという特性上、その空気が漏れないように通気性の少ない生地が使われます。つまり、真夏は着ているだけで蒸れが生じる上、走行中は正面から受ける風を遮断してしまいます。
ライダーにとっては、通気性のいいメッシュ仕様のジャケットの方が明らかに涼しいことから、いつしかファン付きのライディングジャケットは淘汰(とうた)されてしまいました。
大人気のアイスマンベストとワークマンがコラボ
今回紹介する「ウィンドコアアイスマン水冷服」は、山真製鋸の「アイスマンベスト」とワークマンがコラボし、今シーズンから販売されている製品です。ベストの内側にシリコーン製のホースがレイアウトされており、背中には冷水を貯めるためのタンクがあります。
外観については、ランニングや自転車界隈でよく知られる水分補給用のハイドレーションシステムに限りなく近いといってよいでしょう。後ろ身頃の下部にはモーター駆動のポンプ、左胸には3350mAhのリチウムイオンバッテリーが配置されています。
まず背面にあるキャップを開けて、そこに約150mlの冷水を入れます。次に凍ったペットボトルを入れ、キャップをしっかりと閉じます。あとは、充電済みのリチウムイオンバッテリーを接続して電源を入れれば、ポンプによって冷水がホース内を循環します。
運転モードについては、冷感アップモード(バッテリー使用時間目安:連続作動/約7時間)、長時間使用モード(バッテリー使用時間目安:20秒作動〜45秒停止/約20時間)、最長時間使用モード(バッテリー使用時間目安:20秒作動〜90秒停止/約25時間)の3種類が用意されており、ボタンによって簡単に切り替えられます。
とけたペットボトル飲料は水分補給用に 氷なら冷感倍増
水を冷やす手段としては、コンビニなどで入手可能な凍ったペットボトル飲料(650mlまで)のほか、氷や保冷剤などを使うことも可能です。ペットボトル飲料の場合、とけたら飲むこともできるので、熱中症対策としては一石二鳥でしょう。
ベストはフリーサイズですが、胸元とサイドに調整ベルトがあるのでアジャスト範囲が広く、対応胸囲は80〜130cmとなっています。内側のホースが体に密着していないと冷たさが伝わらないので、調整ベルトでしっかりとフィットさせることがポイントとなります。
まず、凍ったペットボトルを入れた場合です。背中に円筒形の異物感は生じるものの、慣れれば気にならなくなるレベルです。
スイッチを入れると、ホースを通じて冷水の冷たさがジワジワと伝わってきます。水を使っているとはいっても、衣服や肌がぬれることはありません。特に肩はホースが強く密着するので、非常に冷たく感じます。
続いて氷を入れた場合です。凍ったペットボトルよりも明らかに冷感効果がアップし、25度以下の室内では肌寒いとすら感じるほどです。
この上にメッシュジャケットを羽織ってバイクで走ってみると、水冷服で冷やされた胸元が走行風を受けるので、涼しさが倍増します。これはかなり効果的と言ってよいでしょう。
なお保冷剤を入れた場合は、凍ったペットボトルほどの冷たさはなく、猛暑日においてはほぼ無力という印象でした。
猛暑での効果持続は2時間弱 氷を補充できる環境なら買い
バイクツーリングだけでなく、屋外での各種作業や釣り、サイクリングなど、さまざまな環境で使用してみました。タンクが収納されている部分は、アルミ生地とポリウレタンによる保冷構造となっていますが、猛暑日かつ炎天下という環境においては、ホースの冷感が持続するのはせいぜい2時間弱です。
ちなみに凍ったペットボトルよりも氷の方がとけるのが早いのですが、これは冷感の強弱とトレードオフの関係にあるようです。
この持続時間を短いと感じる方は多いことでしょう。しかし、同じ構造を持つレーシングドライバー用のクールスーツの場合、大きなクーラーボックスを接続して使用していますので、ここまでポータブルになった水冷服は画期的なのです。
さらなる技術の進化に期待しつつ、2時間ごとに氷を補充するなどの工夫をすれば、猛暑を少しでも快適に過ごせるでしょう。ファン付きウエアとの合わせ技も効果的ですので、持っている人はお試しください。
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