携帯電話の料金プランに、通信以外のさまざまな特典を付けたプランが次々と登場。金融サービスと組み合わせたKDDIの「auマネ活プラン」に続き、ソフトバンクでは「ペイトク」プランを2023年10月3日から提供している。
これは“魔法のようにポイントが貯まる!”をコンセプトに、PayPayで買い物したときのPayPayポイントの付与率が変わるプラン。使い放題の「ペイトク無制限」では+5%のポイントがたまる。この新たな「ペイトク特典」で、いったいどれくらい得できるのかシミュレーションしてみた。なお料金は全て税込み。
ペイトクプランではデータ容量やポイント付与率が異なる3つのプランが用意されている。「ペイトク30」は月額7425円でデータ30GBにポイント付与率+1%、「ペイトク50」は月額8525円でデータ50GBにポイント付与率+3%、ペイトク無制限は月額9625円でデータ無制限にポイント付与率+5%だ。
従来の「メリハリ無制限」では月額6580円だったので、ペイトク無制限はポイント付与率が高いといっても、月額料金がかなり高い印象だ。しかしPayPayのポイント付与率が+5%で上限月4000ポイントになるので、各種割引を適用し、付与されたポイントを通信料の支払いに充当した場合の実質金額は月額3128円になる。
ペイトクの3つのプランの内容と各種割引、実質料金を記載したものが次の表だ。
なお、「新みんな家族割」は家族2人で月額660円、3人以上で月額1210円が家族全員分割引になる。「おうち割 光セット」は「SoftBank 光」や「SoftBank Air」とセットで利用することで月額1100円が割引。今回、新設された「PayPayカード割」では、ソフトバンクグループのクレジットカード「PayPayカード」や「PayPayカード ゴールド」で通信料金を支払うことで月額187円が割引になる。
ペイトク30のポイント付与率+1%の上限は月1000ポイント、ペイトク50の+3%の上限は月2500ポイントと、ペイトク無制限の+5%の月4000ポイントの上限より低くなるので、実質料金はペイトク無制限が月額3128円で一番安くなる。
とはいえ、ペイトク無制限の上限4000ポイントを獲得しようと思ったら、8万円分の決済が必要。PayPay加盟店は410万カ所(累計登録カ所数、2023年3月時点)あり、スーパーやコンビニ、飲食店など、日常的に利用する店舗が多いものの、8万円程度の決済を毎月続けるのは難しいのではないだろうか。
そこで各種割引を含んだ、ペイトク特典の決済金額別の実質料金を計算してみた。新みんな家族割の人数と毎月のおよその決済額から、自分の場合、実質料金がどれくらいになりそうか考えてみてほしい。
ペイトクプランにはPayPayポイントの付与率が変わる以外にも、6つのキャンペーンや特典が用意されている。
中でも注目したいのが、ペイトク特典のポイント付与率が、2024年2月20日の決済分まで3倍になる「ペイしてトクトクキャンペーン」だ。ペイトク無制限の場合、+5%が+15%になるので、上限の4000ポイントを獲得するための決済額が8万円分から2.7万円分へと下がる。
2024年3月末までなら、「hulu」や「ABEMA」などのエンタメコンテンツの利用料に対するPayPayポイントの付与率が最大50%にアップする。「YouTube Premium特典」では6カ月無料の後、7カ月目以降も25%オフの料金で利用することができる。
ソフトバンクの回線利用者は、通常月額508円の「LYPプレミアム」特典が無料で利用できる。「LYPプレミアム」とは既存の「Yahoo!プレミアム」が11月29日にアップグレードしたもので、従来のマンガや雑誌の読み放題、「Yahoo!ショッピング」や「Yahoo!オークション」などのお得な特典に加えて、「LINEスタンプ使い放題」などのLINE特典も無料で利用できる。
スマホ料金をPayPayカード ゴールドで決済することで、月額利用料金の最大10%のソフトバンクポイントがたまる特典もある。家族3人で各種割引適用の場合、月額7128円の料金に対して1000円(税別)で100ポイントが付くので、600ポイント(600円相当)がたまる。また、「ソフトバンク光」の月額利用料金に対しても最大10%のソフトバンクポイントが付くので、利用料金が4400円の場合、400円相当のポイントがたまる。合計すると1年間で1万2000円相当のポイントが得られる。とはいえ、PayPayカード ゴールドの年会費が1万1000円必要になるので、差し引きすると年間で1000ポイントになってしまう。
ただし、PayPayカード ゴールドをPayPayのクレジット決済に設定するとポイント付与率が+0.5%アップするので、そのメリットは大きい。加えてPayPayやPayPayカード ゴールドで200円以上の支払いを30回以上、10万円以上することでPayPayステップの条件が達成して+0.5%になるので、合計17%のポイント付与率になる。ただ、ペイトク特典は8万円までの決済で付与ポイントの上限に達してしまうので、10万円以上の支払いをしてPayPayステップの条件を達成するメリットはあまり感じられない。
ペイしてトクトクキャンペーンが適用される2024年2月20日までの決済なら、2万7000円の決済でペイトク特典で4000ポイント、基本付与率1.0%+ゴールドカード特典0.5%=1.5%で405ポイントとなり、合計4405ポイントがもらえる。2月20日以降は、8万円の決済で合計5200ポイントとなる。
ペイトク無制限でトクするためには決済金額が影響するものの、ポイント付与率+5%の特典は魅力。普段PayPayを利用している人なら、このプランを利用することで効率的にポイントが獲得できそうだ。
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