京都大学構内に現れた「それいけ!アンパンマン」のキャラクターの像。作者不明のこの像について、著作権者が撤去を要請せず、大学も黙認。“粋な計らい”がネットで話題になっている。
「折田先生」。同大吉田キャンパス(左京区)の一角に現れる像(張りぼて)はこう呼ばれる。作者不詳、いつ誰が置いたのかも不明──ながら、京大生に親しまれてきた。ここ最近は毎年2月下旬ごろに現れ、受験生を励ます“季節の風物詩”だ。
今年はアンパンマンに登場するキャラクター「てんどんまん」の像が登場。「京大に愛と勇気だけの学風を築くために多大な功績を残した」などという文章も添えられている。
これを取り上げたのが、2月25日の京都新聞。Web版を通じてネットでも話題になったが、これがちょっとした騒動になった。
経緯を説明した同大サイトによると、「あまりに出来映えが良かったのか」(同大)、アンパンマンの著作権を管理している会社から京大に問い合わせがあった。学生の活動とはいえ、版権キャラの無断使用は御法度だ。京大が「実状を説明」したところ、企業からは「撤去要求はしないが著作物のイメージを損なわないようにしてほしいとの要請」があったという。
同大は「大学の管理区域に置かれている以上、その要請を無視するわけにはいかない。一番望ましいのは制作者が自主的に撤去すること」としつつ、撤去されない場合は「折田先生像が風雨に打たれ、誰がみてもみすぼらしい可哀相だということになった際に、当方で撤去せざるを得ない」と、「著作物のイメージを損なわない」という要請に“苦渋の判断”で従う方針を明らかにした。
大学サイトの文章の淡々とした調子も相まって、ネット上で一連の経緯が話題に。「ユーモアの分かる大学」「著作権者も大人な対応」などと好意的だ。
ちなみにサイトによると、歴代の「折田先生像」は何者かによって破壊されることが多かったそう。「今年はそのようなことがないように、無事折田先生像が役目を全うされることを望んでいます」
折田先生像の詳細は「Wikipeida」で。
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